研究課題/領域番号 |
20H03729
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
稲垣 毅 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (10507825)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | エピゲノム / エピジェネティクス / 脂肪細胞分化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、肥満や糖尿病と関係の深い脂肪細胞をモデルとして利用して実施する研究である。細胞内に存在する代謝物が、細胞内エネルギー環境を感知するセンサーとして働くという仮説に基づき、「代謝物によってエピゲノムが書き換えられることで、転写から翻訳までのセントラルドグマを一元的に制御する機構」の存在を予想して解明することを目指すものである。
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研究成果の概要 |
エピゲノムは、代謝環境を感知して細胞の分化制御にかかわる。鉄は、ヒストン脱メチル化酵素とDNA脱メチル化酵素の活性に必須であるが、脂肪細胞分化過程において、細胞内の貯蔵鉄がフェリチノファジーにより供給されることを発見した。また、鉄輸送タンパクPCBPが核に移行することを見出し、これが脂肪細胞分化に重要であることを発見した。さらに、脂肪細胞分化誘導後にヒストン脱メチル化酵素JMJD1AやDNA脱メチル化酵素TET2の活性が鉄依存性に制御されてエピゲノムが書き換わり、その結果、脂肪細胞分化関連遺伝子の発現が誘導されることで脂肪細胞が分化するという一連の機構を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満症や糖尿病の発症機序を理解するうえで、脂肪細胞の分化制御機構を解明することは重要である。今回、脂肪細胞分化にかかわるDNAメチル化やヒストンメチル化修飾といったエピゲノムの書き換えにおいて、鉄が重要な役割を果たすことを見出した。この新たな脂肪細胞分化の制御機構の提示は、肥満症や糖尿病の新しい治療戦略に寄与する可能性がある。
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