研究課題/領域番号 |
20H03738
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
植田 琢也 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40361448)
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研究分担者 |
佐谷 望 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (50816444)
原田 達也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60345113)
森 菜緒子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90535064)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 乳癌 / 深層学習 / 人工知能 / 画像診断 |
研究開始時の研究の概要 |
高トモシンセシスは、乳癌の新たな画像診断法として注目を集めている。近年深層学習/人工知能(AI)の医療画像診断への応用が進んでいるが、スライスが多いトモシンセシスは診断医への負担が高く、AIシステムによる診断医の負担軽減と診断精度の向上が期待されている。一方、AIの医療応用ではそのブラックボックス性が問題となっており、信頼性の確立が急務である。 本研究では、説明可能AIを用いて信頼性と汎化性能の高いトモシンセシス画像診断支援システムの開発を行う。このシステムを確立できれば、トモシンセシスの恩恵をより多くの患者が享受可能となり、乳癌診断精度が上がることで治療成績の向上に寄与できると考える。
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研究実績の概要 |
2022年度は、学習を行う症例を1000例へと増やし正常・良性石灰化・良性腫瘍・悪性腫瘍を分類するAIモデルの学習を行った。 近年CNNに変わって急速に発展しているTransformerのdeep learningを適応し、乳癌病変の同定を向上する研究を行った。TransformerはCNNと異なり、複数の領域から全体を包括する特徴量を抽出できる手法であり、局所的な抽出量をとらえることに特化したCNNのdeep learning modelと比較して、Transformerは読影医師が認識している乳癌の広がりを同定するのにすぐれていることが分かった。 また、これまで教師あり学習を主体として進めてきたdeep learningから、教師無しで学習をすすめるための研究にとりくんでいる。距離学習は、その形態の特徴を自動的に抽出できる方法であり事前の情報なく学習が可能であるとともに、悪性/良性の鑑別な病変について、その特徴を認識するための手法として特化している。本年度は距離学習の初期的検討を行うとともに、2023年度以降本格的な乳癌診断モデルへの組込みを予定している。 またこれまで使用してきた聖路加国際病院の乳癌トモシンセシスの画像に加えて、本年度は東北大学乳腺外科の画像データへの、アノーテーションを行い研究に必要なデートセット作成を行った。東北大学では、マンモグラフィ、トモシンセシス、MRIの画像が利用可能で有り、マルチモダリティーの研究が可能となる。2023年度ではこのデータを用いた研究を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳癌の診断において、当所の医師の説明可能な項目に加えて教師無し学習を用いた手法について新たに検討が進んでおり、研究課題提出時の見通しよりも計画の進捗は進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後については
1) 距離学習を用いた教師無し学習の検討をさらに発展させる。 2) 東北大学のマルチモダリティーのデータセットの利用が可能となり、このデータセットを用いた新たな研究の方向性が立案可能である。 3) さらに、近年病理などで、複数の画像スケールの学習を組み合わせた多段的なAI研究が行われている。本領域でも石灰化など微細なレベルでの特徴と、病変の広がりという比較的広い領域の特徴を加味したAIモデルの開発が望まれる。本研究に関して研究立案と開発を実装中である。
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