研究課題/領域番号 |
20H03753
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大塚 隆生 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20372766)
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研究分担者 |
谷本 昭英 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10217151)
山口 浩 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20510697)
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
東 美智代 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 准教授 (60315405)
蔵原 弘 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70464469)
又木 雄弘 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任講師 (10444902)
井手野 昇 九州大学, 医学研究院, 助教 (90883421)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 膵癌 / 発癌 / 早期診断 / ゲノム / 予防 / クローン拡大 / IPMN / クローン進化 / ゲノム医療 / 予防医学 |
研究開始時の研究の概要 |
依然予後不良である膵癌が、同一膵内に多発する傾向が明らかとなり、その機序解明が膵癌診療対策には欠かせない。膵癌の多発性に関して、慢性刺激により膵全体に遺伝子変異と前癌病変が蓄積され、膵全体が発癌準備状態と考えられ、特に一度発癌のドライバー遺伝子変異のスイッチが入った膵臓は全体が発癌リスクを持つ為、全ての膵癌患者が潜在的に膵全摘術の適応となる可能性がある。この仮説を、発癌を高率に誘導するドライバー遺伝子変異,関連バイオマーカーを発癌前に同定する事で予防的膵全摘術が新たな膵癌治療法として応用できる可能性があるかを多発膵癌患者の切除標本を用いた網羅的遺伝子解析と膵癌発症マウスモデルを用いて検討する。
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研究成果の概要 |
次世代シークエンサーによる網羅的遺伝子解析により膵癌発症予防につながる遺伝子変異マーカー探索を行った研究である。膵癌発症高危険群である膵管内膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に着目し、クローン拡大によるfield cancerization理論に基づく発癌機序を背景に、膵癌を発症するIPMNの遺伝子変異解析によりKLF4を同定した。KLF4はiPS細胞作製に必要な山中遺伝子の一つであり、癌化ではなく良性の特徴を維持する変異である。さらに遺伝子変に関連するタンパクの発現異常解析、ならびに遺伝子変異を惹起する慢性炎症刺激の原因となる細菌叢探索でも重要な所見をえることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
依然、予後不良な膵癌の生存率向上のためには発症予防対策、早期診断法開発、新規治療法開発を行っていかなければならないが、本研究はその中で発症予防を目指したものである。膵癌発症高危険群として膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に注目し、膵癌発症を予想できるマーカーを同定できたことは、膵癌発症の機序解明と膵癌発症前治療の開発へ発展していく可能性を秘めた学術的意義を持つばかりでなく、広く国民の健康増進につながる社会的意義を有する。
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