研究課題/領域番号 |
20H03757
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤井 正幸 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00867575)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
|
キーワード | がん / オルガノイド / 浸潤 / 転移 / 遺伝子スクリーニング / 大腸がん / 再発 / シングルセル解析 / 異種移植モデル / 遺伝子変異 / 発がん / 遺伝子編集 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸の上皮に様々な遺伝子変異や染色体異常などの分子生物学的な異常が積み重なることで良性のポリープを経て大腸癌の発生に至るとされている.その過程において癌細胞は浸潤や転移する能力,いわゆる形質を獲得するが,悪性化に寄与する形質が遺伝子異常によってどのように誘導されるかについては,ヒト組織の形質を再現可能な実験ツールが欠如しておりほとんど明らかにされていない.本研究では組織幹細胞培養技術であるオルガノイド培養法,さらに遺伝子編集技術であるCRISPR-Cas9を用いた遺伝子スクリーニングを駆使し,大腸癌の発生過程における悪性形質獲得に働く分子を網羅的に探索する.
|
研究成果の概要 |
大腸がんは依然として本邦におけるがん死の主たる原因の一つであり、社会に大きな影を落としている。本研究では、大腸がんの進行、特に難治性や致死性を規定する転移および抗がん剤耐性に焦点をあて、これらを司るメカニズムを追求した。組織幹細胞培養技術であるオルガノイド培養法を用いて患者腫瘍を培養し、遺伝子スクリーニングによって肝転移を促進する遺伝子を同定した。また、異種移植組織のライブイメージング技術を開拓し、休眠がん幹細胞の覚醒が化学療法後の腫瘍再燃に寄与することを明らかにした。本研究を通じて得られた知見は、大腸がんの生物学的理解の深化、および今後の治療応用につながることが期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは進行や治療に伴い、転移や治療抵抗性をはじめとした様々な能力を獲得し、最終的には致死的な病に至る。これらのメカニズムを理解することはがんの予後改善につながることが期待される一方で、その多くは未だ明らかになっていない。本研究では大腸がんをモデルとし、転移および抗がん剤耐性のメカニズムの一端を明らかにした。本研究で得られた知見は大腸がんの悪性化メカニズムの深い理解につながるとともに、今後の新規治療法の開拓の一助となることが期待される。
|