研究課題/領域番号 |
20H03765
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
戸田 宏一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (40379235)
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研究分担者 |
塚田 敬義 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30257894)
福嶌 教偉 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (30263247)
川村 匡 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師(常勤) (70583011)
吉川 泰司 鳥取大学, 医学部, 講師 (40570594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 心停止ドナー / 心臓移植 / マージナルドナー / 心筋保護 / 心移植 / 虚血再灌流障害 / ECMO / 多臓器提供システム / 摘出臓器のviability / 倫理的問題 / ドナー不足 |
研究開始時の研究の概要 |
脳死臓器提供件数の多い欧米においてもドナー不足は深刻であり、近年、呼吸を停止して心停止後のドナーからの心臓利用システムを開発する研究が盛んに行われるようになった。 我々は、1980年代から、Donor after cardiac death(以下DCD)からの臓器提供の実験を行い、移植臓器機能が良好に保たれることを示してきたが、遠隔期の効果はいまだ明らかでない本研究の目的は、Respirator offの有無に分けてDCDからの心および他臓器の保存法を開発すること、DCDからの心臓移植の倫理的問題を解決すること、臨床応用可能な多臓器提供システムを確立することである。
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研究成果の概要 |
家畜ブタ(ZPPα)の脳死モデルを作製し、呼吸停止により心停止とし、Extracorporeal Membrane Oxygenation(ECMO)で全身灌流すると、温阻血時間30分では心拍再開した。高カリウム・低温で灌流すると、心停止から再灌流まで約1時間でも心拍再開した。 ZPPα2頭で移植実験を行なった。脳死作製後、呼吸停止により心停止としECMOで灌流を開始した。心停止後、心臓を摘出して71分低温静置し、移植を開始した。心停止後163分で再灌流し、直後に心室細動となったが、抗不整脈薬と電気的除細動で洞調律となった。高カリウム・低温の全身灌流で臓器保存時間が延長する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国の心臓移植におけるドナー不足を解決する方法の一つに心停止ドナー(Donors after Circulatory Death: DCD)からの臓器提供が挙げられる。海外では既に臨床利用されている技術だが、生命維持装置の中止により心停止を惹起することや、死亡確認から摘出までの時間が5-10分程度と極めて短いことなど、日本でそのまま適用するには解決すべき問題点もある。 当研究では、ドナーの心停止後に高カリウム・低温で全身灌流することで、心停止から再灌流までの時間を延長させ得ることを示した。今後、我が国でDCDからの心臓移植を実現する上で、我が国独自の手法として確立できる可能性が示唆された。
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