研究課題/領域番号 |
20H03766
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
吉村 耕一 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授(特命) (00322248)
|
研究分担者 |
原田 剛佑 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60650322)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
|
キーワード | 大動脈瘤 / 力学刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大動脈瘤における慢性炎症の分子病態を解明し、新たな治療法の開発を目指すものである。研究代表者は、免疫細胞マクロファージへの過度な力学刺激が大動脈瘤組織の炎症を持続する鍵であると着想した。本研究では、過度な力学刺激がマクロファージのシグナル分子MAPK9活性化を介して、炎症を遷延化すると同時に修復を抑制していることを実証する。本研究は、大動脈瘤のみならず慢性炎症を基盤とする様々な難治疾患の克服に貢献できる可能性がある。
|
研究成果の概要 |
大動脈瘤は破裂により突然死を来たす疾患である。治療法は外科的治療に限られているため、病態解明に基づく新規治療法の開発が待ち望まれている。本研究において、過度な力学的刺激がマクロファージの免疫・炎症応答を増長することが明らかになった。さらに、シグナル分子mitogen-activated protein kinase 9 (MAPK9)の薬物的抑制によって、力学的刺激により増長されるマクロファージの免疫・炎症応答が阻止され、さらに力学的刺激下で誘発される大動脈瘤モデル動物の病変の進行が軽減された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における発見から、大動脈瘤病変部特有の力学刺激と免疫・炎症応答系との連関が制御可能であることと、その制御が新規治療法に繋がる可能性があることが示された。病変部特有の力学刺激と免疫・炎症応答系との連関を標的とすれば、全身の免疫系には影響しない、副作用の少ない治療法が期待できる。さらに、広く慢性炎症性疾患に対する新たな作用機序の抗炎症薬の提供にも繋がる可能性がある。
|