研究課題/領域番号 |
20H03773
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
光冨 徹哉 近畿大学, 医学部, 教授 (70209807)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 肺癌 / オルガノイド / 薬剤感受性試験 / ドライバー遺伝子 / 分子標的治療 / 腫瘍微小環境 / 予後因子 / EGFR H773delinsYNPY / 凍結保存条件 / オーガノイド / 肺がん / 継代 / 抗癌剤感受性検査 / ドライバー遺伝子変異 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 感受性テスト / EGFR / バイオマーカー / ドライバーがん遺伝子 / 免疫チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では肺がん外科切除検体よりがん細胞の半固形培地での三次元培養(patient-derived organoid: PDO)樹立を試み、高率に樹立する方法を確立する。消化器癌ではすでに多くの知見が得られているが、肺がんにおける検討はまだすくない。 このPDOは薬剤感受性テストや耐性機構の予測に有用であると考えられ、その情報を患者の治療に応用することで治療成績の改善を目指す。
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研究成果の概要 |
肺がん切除標本から肺腫瘍オルガノイド(LTO)を樹立法を確立し、臨床病理学的特徴や遺伝子解析、薬剤感受性の評価を行った。79名の患者から53のLTOが確立され、形態、免疫染色、遺伝子変異等でLTOは親腫瘍の特性をよく反映していた。LTOの長期継代可能症例は、予後不良と相関していた。ドライバー遺伝子に関してはEGFRエクソン20 挿入変異1を含む7つの変異が検出された。エクソン30変異細胞はオシメルチニブに感受性があり、この情報をもとに患者をオシメルチニブで治療したところ良好な臨床効果が得られた。これらの結果は、LTOが腫瘍のモデルとして感受性テスト等、治療戦略開発に有用であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、従来、消化器癌とくらべて樹立が困難とされてきた非小細胞肺癌において、67%の症例からオルガノイドを樹立できたことは臨床応用を考えた上で意義深い。また、これらのオルガノイドは病理組織学的特徴およびほとんどの遺伝子変化を維持しており、薬物感受性の前臨床的評価に有用であることが期待される。実際、まれなEGFRエクソン20挿入変異を有する患者においてはオルガノイドの薬剤感受性結果に基づいてシメルチニブを投与することで、高い抗腫瘍効果がえられ、臨床的な有用性を示せた。これらのことは学術的、臨床的に意義深いと思われる。
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