研究課題/領域番号 |
20H03776
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
広田 喜一 関西医科大学, 医学部, 研究員 (00283606)
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研究分担者 |
松田 達志 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00286444)
坊農 秀雅 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 特任教授 (20364789)
松尾 禎之 関西医科大学, 医学部, 講師 (50447926)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 麻酔 / 長期予後 / 免疫 / 酸素代謝 / HIF / 代謝リプログラミング / エピゲノム変化 / 麻酔薬 / B細胞 / 抗体産生 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
近年の麻酔科学の焦点の一つは患者長期予後への影響という視点である。「記憶」という概念と密接に関わる免疫応答、とりわけ抗原提示から抗体産生にいたるB細胞の活性化システムと麻酔の関連性を検証することが本研究の目的である。麻酔薬が酸素代謝とエネルギー代謝を結ぶ転写因子hypoxia-inducible factor 1(HIF-1)の活性調節に深く関与することに鑑み、麻酔が免疫担当細胞に誘導される代謝リプログラミングとそれに続くエピゲノム変化にどのような影響を及ぼすか、マウスモデルを用いて検討する。これらの解析により、麻酔が疾患の長期予後に与える影響を探索する。
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研究成果の概要 |
炎症応答とマクロファージの活性化に関する分子機序に着目して、HIF-1の活性化と炎症由来の代謝リプログラミングの関連の存在を見いだした。また、一酸化窒素の過剰生成が肝臓に悪影響を及ぼすことや、HIF-1阻害剤Roxadustatの炎症シグナル伝達経路への抑制作用も明らかにした。さらに、酸素ホメオスターシスの異常が抗体産生に影響を及ぼすことを示すため、VhlとArf1をB細胞から除去したマウスモデルを使用し、B細胞の分化と抗体産生の低下を確認した。最後に、RNA-Seqデータ解析手法を改善し、Dockerを使って異なる環境での実行を可能にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
麻酔科学は、麻酔の長期的な影響についての課題を抱えており、これは発達期の脳、手術ストレス、手術後の認知機能障害、がんの再発に対する影響などを含む。特に麻酔薬が生体の酸素・エネルギー代謝に影響を及ぼすことが明らかとなっており、HIF-1という因子の活性化調節が重要であることが示されている。近年、この酸素・エネルギー代謝が免疫機能に影響を及ぼすことが注目されている。具体的には、HIF-1が自然免疫と獲得免疫機能において中心的な役割を果たすことがわかってきた。この観点から、麻酔薬-HIF-1-免疫応答の関連性を追求し、麻酔薬が免疫応答に及ぼす影響を明らかにすることは意義深い。
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