研究課題/領域番号 |
20H03791
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北園 孝成 九州大学, 医学研究院, 教授 (70284487)
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研究分担者 |
吾郷 哲朗 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30514202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 組織修復 / 神経機能回復 / ペリサイト / マクロファージ / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / 細胞外マトリックス / 血管内皮前駆細胞 / 血管新生 / 機能回復 / 細胞外マトリックスタンパク質 / 免疫細胞 / 制御性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞は日本人における最大の国民病の一つである.発症予防に努めるとともに,発症後の機能回復をいかに誘導するかという視点も重要である.リハビリテーション治療のサポートを得て,多くの脳梗塞患者は発症後3-6ヶ月の経過である程度の機能回復を得ることができる.しかしながら機能回復の是非には大きな個体差があり,また,有効な薬物治療も未だ存在しない.我々は脳梗塞巣内部壊死巣における組織修復の是非が機能回復の是非に大きな影響を及ぼすことを明らかにしつつある.亜急性期以降に生じる内因性機能回復機構の詳細を解明することによって,分子標的薬による機能回復促進治療を実現できると考えている.
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研究成果の概要 |
マウス中大脳動脈永久閉塞・脳梗塞モデル(pMCAO)を用いて、脳梗塞後の組織修復・機能回復連関について検討した。脳梗塞後に生じる内皮細胞周囲へのペリサイトの動員は、血流の発生、BBBの再構築に寄与するのみならず、マクロファージの動員・デブリス除去・梗塞内組織修復において決定的な役割を担っていることを証明した。さらに梗塞内組織修復が神経機能回復を誘導する機構について明らかとし、脳梗塞における「創傷治癒」の概念を提唱した。亜急性期以降に生じるペリサイト・マクロファージを介した組織修復は、脳梗塞後機能回復の実現可能な治療標的になりうると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳梗塞は日本人の代表的国民病である。近年rt-PA静注療法や脳血管カテーテルによる血栓除去療法など超急性期治療が急速に普及してきたが,急性期以降の機能回復を促進する薬物治療は未だ存在しない.発症後1-3ヶ月の間に生じる内因性機能回復には個体差もあるが、その分子細胞機構も未だ不明である.高齢化社会における寝たきり・介護を減らすためには、脳梗塞機能回復過程の分子細胞機構を解明し、新たな治療法を開発することが喫緊の課題である。本研究課題は、脳梗塞亜急性期以降に生じる脳梗塞内部の組織修復が機能回復をもたらすことを明らかにし、この観点から治療開発を目指すものである。
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