研究課題/領域番号 |
20H03800
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
猪瀬 弘之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (30615711)
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研究分担者 |
大川 淳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30251507)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 筋代謝 / 筋再生 / 骨代謝 / サルコペニア / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
我々が本研究において解明しようとする学術的な問いとは、「細胞増殖の上流・下流シグナルの調節により、筋損傷の回復が促進される」である。そこで、本研究では、筋幹細胞及び骨格筋細胞に着目し、その恒常性維持における細胞周期制御因子の生理的意義を広く検討し、筋損傷の回復過程における筋幹細胞増殖調節及び筋肥大の調節機構を明らかにする。更に、筋損傷治療薬への臨床応用に展開するための基盤となる研究を行う。
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研究成果の概要 |
骨格筋傷害後の筋再生は、筋衛星細胞の増殖および分化によって制御されている。今回、我々は筋再生さらには筋肥大におけるCdk1の働きを解明するため、筋衛星細胞においてCdk1を特異的に欠損させ、その表現型を解析した。 マウス前脛骨筋の筋再生の初期においてCdk1陽性であるPax7陽性細胞(筋衛星細胞)の増殖を認め、分化・再生が進むとCdk1の発現はほぼ消失していた。また、筋衛星細胞特異的Cdk1 ノックアウトマウスにおいては正常の筋再生が障害されており、機能的な低下を認めた。また過負荷実験の結果、筋衛星細胞のCdk1の発現による増殖が正常な筋肥大において必須であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、筋衛星細胞の増殖と分化におけるCdk1の役割が明らかとなった。この知見は、将来的には筋障害や筋萎縮の治療法の開発に役立つ可能性がある。また、筋肥大における重要な因子としてCdk1の特定が行われ、新しい治療戦略やトレーニング方法の開発につながることが期待される。さらに、この研究は細胞周期制御の基本理解の進展にも寄与し、細胞増殖と分化のメカニズムの理解に対する貢献が期待される。これにより、癌や他の疾患の研究にも新たな示唆を与えることが可能である。以上より、本研究は筋再生および細胞周期制御に関する重要な知見を提供し、将来的な治療法や健康への応用に向けた基盤となる。
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