研究課題/領域番号 |
20H03814
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤松 秀輔 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20767248)
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研究分担者 |
澤田 篤郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (10784796)
小川 修 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (90260611)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 去勢抵抗性前立腺癌 / 血中遊離DNA / 相同組み換え修復関連遺伝子 / DNA修復遺伝子 / BRCA / ATM / CDK12 / 前立腺癌 / cfDNA / 経時的DNA解析 / BRCA paradox / 相同組み換え遺伝子異常 / 血中遊離DNA解析 |
研究開始時の研究の概要 |
我々が独自に開発した血中遊離DNA(cfDNA)の高感度捕捉法により前立腺癌の治療中に蓄積する遺伝子異常を経時的に捕捉し、その遺伝子背景を細胞株で反映することで臨床を模倣するモデルを樹立できると考える。本研究では約100例の臨床検体の経時的cfDNA解析と、臨床検体と遺伝子背景が揃ったモデルを樹立・解析することにより、HDR関連遺伝子異常と病態並びに薬剤感受性の関係を調べ、病態解明を目指す共に、薬剤選択、投薬時期に関するエビデンスを患者毎に創出する。
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研究成果の概要 |
申請者らが独自に開発した血中遊離DNA(cfDNA)の高感度捕捉法 eVIDENCEを用いて去勢抵抗性前立腺癌患者のcfDNA100症例を解析した。その結果、腫瘍由来cfDNA割合2%未満の症例においてもATM、BRCA2、TP53の病的変異が同定され、これらの遺伝子異常は予後の予測因子であり、cfDNAの低頻度変異検出の重要性を示した。一方、DNA修復遺伝子異常を反映した細胞株を作成したが増殖能は遅く、細胞株ではBRCA paradoxは克服できなかった。しかしDNA修復遺伝子異常を有する患者検体より患者由来ゼノグラフトを作成することで、臨床像を反映した治療開発に有用な実験モデルを作成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)患者由来cfDNAにおける低頻度変異検出の臨床的有用性を示したことで、現行のがんゲノム医療においてcfDNA検査を行う場合に低頻度変異にも着目すべきことが判明し、より多くの患者ががんゲノム医療で恩恵を受けられることがわかった。 さらにCRPCのDNA修復遺伝子異常を反映した細胞株、患者由来ゼノグラフトを作成した。世界的にも貴重な実験系であり、DNA修復遺伝子異常の中でもPARP阻害薬に抵抗性を示すATMやCDK12変異前立腺癌の治療開発への応用が期待される。
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