研究課題/領域番号 |
20H03816
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
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研究分担者 |
神沢 英幸 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00551277)
加藤 大貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (00620931)
西尾 英紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10621063)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40238134)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
岩月 正一郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70595397)
梅本 幸裕 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80381812)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 精子幹細胞 / 停留精巣 / 男性不妊症 / セルトリ細胞 / 細胞分化 / 生殖医療 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、不妊症に対する生殖医療の必要性が高まっており、その基盤研究の推進は重要な課題である。しかし、男性不妊症患者の80%は精子形成・成熟が障害される特発性造精機能障害とされ、その病態は明らかでない。精子形成過程は、前駆細胞から精子幹細胞が分化する幼若期と、分化した細胞から成熟精子となる成熟期に分けられる。先行研究を行う中で、私たちは、精子幹細胞がどのようにして時期特異的に”幹細胞”としての形質を獲得し、男性不妊症では形質がどう変化しているのか、という疑問点を抱くに至った。本研究課題はこれらの学術的問いを解明し、生殖医療に対する新たな治療戦略を可能にしようとするものである。
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研究成果の概要 |
私たちは先行研究から成熟精子の供給源である「精子幹細胞」の挙動に着目し、精子幹細胞の分化障害が起きている停留精巣を対象とし、ヒト停留精巣の生検組織を用いて幼若期の精子幹細胞と血清ホルモン値との関連性を解析した。また、停留精巣モデルラットを用い思春期の精巣組織の解析を行った。本研究から、Sertoli細胞関連ホルモン(FSH, AMH, INHB)が幼若期の停留精巣における精子幹細胞数の減少によく相関することを見出した。また、モデルラット精巣では思春期のCLDN11タンパクの局在に変化がおき血液精巣関門が正しく構成されないことが造精機能障害をきたすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで精巣生検という侵襲的な手法でしか精子幹細胞数を評価することができなかったが、本研究によって、Sertoli細胞関連ホルモン値を組み合わせることで、高い感度・特異度で精巣組織内の精子幹細胞数を予測することが可能となった。また、思春期まで停留精巣を放置するとCLDN11タンパクの局在変化によって血液精巣関門が正常に機能しなくなり、造精機能障害が起きることが明らかとなった。これらのことから、将来的に精巣機能不全が起こりうる症例を層別化でき、早期の診断・治療介入を行うことや患者・家族への適切な情報提供を行うことが可能となり、男性不妊症の新たな治療の一助となると考えられる。
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