研究課題/領域番号 |
20H03825
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
杉野 法広 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10263782)
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研究分担者 |
田村 功 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40610663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 子宮内膜 / オルガノイド / 着床 / 不妊症 / 再生医療 / 子宮性不妊症 / 子宮内膜上皮細胞 / 子宮内膜間質細胞 / 着床不全 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜の発育不全・器質的障害による子宮性不妊症に対しては、いまだ有効な治療法が見出されていない。近年、各臓器で作製されているオルガノイドは、障害臓器に対する再生医療のツールとして注目されており、子宮内膜オルガノイドの移植が損傷した子宮内膜を再生させる可能性がある。本研究では、子宮内膜上皮オルガノイドの作製を基に、間質細胞・血管構築をも伴った「ミニ子宮内膜」を in vitroで作製し、それを移植することで子宮の着床機能を回復させ、妊孕性を改善させることを目的とした研究である。
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研究成果の概要 |
①新規のミニ子宮内膜樹立方法の確立:マウス子宮の上皮細胞と間質細胞を独自の培養方法を用いることによって凝集塊が形成された。この凝集塊は、外側を一層の上皮細胞が覆い、内部は間質細胞で充満されている子宮内膜様の構造を呈していた。今回、世界で初めて新規の内膜上皮・間質細胞からなるミニ子宮内膜を作製することに成功した。 ②子宮内膜上皮オルガノイドの子宮への生着の検討:GFPマウスから分離培養した上皮細胞を用いてオルガノイドを作成し同系統マウスの子宮内に移植した。8 週間後GFP陽性の子宮内膜上皮構造が子宮内に構築されていた。子宮に生着する子宮内膜上皮オルガノイドの作成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、最新の手法であるオルガノイド法を利用し、上皮細胞を外側に間質細胞を内側に配置した子宮内膜オルガノイド(ミニ子宮内膜)の作製に世界で初めて成功した。このミニ子宮内膜と胚との共培養によって着床現象の詳細な過程を明らかにすることができ、学術的な意義は大きい。また、子宮内膜の器質的障害を持つ不妊患者に、ミニ子宮内膜を移植することで妊孕性を改善できる可能性を示したものである。子宮性不妊に対する新たな治療法(子宮内膜再生医療)の開発に繋がるものであり、社会的貢献度は大きい。
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