研究課題/領域番号 |
20H03840
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
稲谷 大 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40335245)
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研究分担者 |
高村 佳弘 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00283193)
有村 尚悟 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (20835029)
辻 隆宏 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (40787389)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 緑内障 |
研究開始時の研究の概要 |
篩状板を挟んだ圧較差がミトコンドリア障害を引き起こし、軸索輸送が停止することが緑内障視神経症の本質であることを明らかにするため、低脳脊髄液圧でのミトコンドリア軸索輸送のライブイメージング、圧較差勾配と軸索輸送との相関の証明、髄液漏患者の髄液圧と神経線維層厚、篩状板厚との相関を横断的に評価する。本研究によって、寿命が長く視覚が重要な霊長類にはなぜ篩状板があるのかという謎が解き明かされ、緑内障の病態解明と神経保護治療にも役立つ重要な知見が得られる。
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研究成果の概要 |
我々は、緑内障における視神経障害のメカニズムを解明するために篩状板のないマウスを使用し、網膜神経節細胞の軸索内のミトコンドリアの動態及び細胞内ATP勾配の変化を観察した。緑内障モデルを作成して観察したところ、網膜神経節細胞軸索内のミトコンドリアの分布が増加し、軸索内での運動も低下した。この結果から、篩状板のない動物でも、神経細胞内のミトコンドリア動態に影響を与える可能性を示唆された。軸索内でのミトコンドリアの停止がみとめられると同時に、細胞内ATP勾配も変化していた。特に、ミトコンドリアの動態変化は、軸索内でのATP供給にも影響を与え、細胞の機能や生存に重要な役割を果たす可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究から、緑内障視神経症における篩状板の役割に新しい概念をもたらすことができた。さらに、網膜神経節細胞の機能維持におけるミトコンドリアの役割と、網膜神経節細胞の細胞死の過程におけるミトコンドリアとATP勾配の役割を明らかにすることができた。本研究結果は、将来におけるヒトの緑内障の視神経障害の診断や治療に役立つ情報を提供できる可能性がある。
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