研究課題/領域番号 |
20H03842
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 竜平 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座教授 (70535278)
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研究分担者 |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 寄附研究部門教授 (50187845)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 多能性幹細胞 / オルガノイド / 角膜 / YAP / 涙腺 / iPS細胞 / 眼発生 / ECM / 分化 / インテグリン / 細胞分化 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はヒト多能性幹細胞を用いて、角膜や網膜などの多系列眼細胞が同心円状に規則正しい配向で誘導される多帯状コロニー(SEAM)を世界で初めて報告した(Nature 2016)。SEAMはヒトの眼発生を高度に模倣した培養系であるが、一方で、いくつかの眼組織は発生しにくいことも明らかとなってきた。これらの要因について調べたところ、足場ECMを介してインプットされる機械的刺激シグナルが分化に重要であることが示唆された(Cell Rep. 2018)。本研究では、SEAMをヒト眼球発生モデルとして用いて、眼発生と足場ECMを介して伝わる機械的刺激に着目し、それらの関係性を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では多能性幹細胞由来のオルガノイドを用いて、眼発生におけるサイトカインや足場ECM等の周辺環境の影響を解明することを目的とした。多能性幹細胞由来眼オルガノイドを用いた検討を行ったところ、眼表面外胚葉の誘導にはYAP活性化が必要であると同時に、BMPシグナルと神経外胚葉から分泌されるWNT阻害因子が必要であることを明らかとした。一方で網膜等の神経外胚葉の分化にはYAP不活性化が重要なプロセスであることが示唆された。また多能性幹細胞から涙腺オルガノイドが誘導可能であることを初めて示し、その初期には転写因子のBARX2、足場環境としてのマトリゲルおよびEGFRシグナルが重要であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりこれまで詳細に理解されていなかったヒト眼発生とくに角膜や結膜上皮の発生機構を明らかにすることができた。さらにはこれまで報告のなかった、3次元のヒト涙腺オルガノイドを世界で初めて作製することに成功した(Hayashi R et al. Nature 2022)。本研究成果によりヒトの眼発生機構が明らかになっただけでなく、サイトカインや足場環境を調整することにより、多能性幹細胞から効率よく目的の眼細胞を誘導することが可能になり、再生医療や薬剤スクリーニング分野の発展に貢献できると考えられる。
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