研究課題/領域番号 |
20H03850
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中井 淳一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (80237198)
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研究分担者 |
荒田 晶子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00266082)
安藤 恵子 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (40221741)
中村 卓史 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90585324)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 呼吸 / 嚥下 / イメージング / Munc18-1 / バリン / 感覚 / 唾液腺 / 舌運動 / 脳幹部 / 運動 / 味覚 / 神経機構 / 神経回路 / 誤嚥性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化が進む我が国において、肺炎は死亡率の上昇傾向が続き、2011年には脳血管疾患を抜いて我が国の死亡率第3位となっている。肺炎患者の約7割が75歳以上の高齢者であり、また、高齢者の肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎によるものである。したがって、誤嚥性肺炎を引き起こす嚥下障害に対する対策が重要である。 基礎歯科分野においては、嚥下障害に関連する嚥下のメカニズム、特に嚥下の神経回路機構はまだ十分解明されていない。そのため、本研究では嚥下の神経機構の解明を行う。 意義:本研究の成果は、嚥下障害の予防、治療や、リハビリに役立つ。また、誤嚥性肺炎による死亡を低下させると期待される。
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研究成果の概要 |
高齢者は誤嚥性肺炎を起こしやすいが、誤嚥性肺炎の基礎にある呼吸と嚥下のメカニズム、特に呼吸と嚥下のクロストークを含む神経回路機構はまだ十分解明されておらず、その解明が喫緊の課題である。呼吸・嚥下の神経回路について、呼吸筋の活動制御に重要な遺伝子Munc18の変異体を解析した結果、GABAニューロンの細胞体内で凝集がおこり、神経活動異常(痙攣)がおこることが明らかになった。またD-バリンおよびL-バリンの舌運動、呼吸運動に与える効果を検討したところ、D-バリンの方がL-バリンより頻繁な舌運動を誘発することが明らかになった。本研究は、呼吸・嚥下の基礎を明らかするもので、誤嚥防止に向けた基礎となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化が進む我が国において、肺炎は死亡率第3位となっている。高齢者の肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎によるものである。呼吸と嚥下は密接に関連していることがわかっている。本研究は、呼吸と嚥下のクロストークを含む神経回路機構を解明するものであり、嚥下中枢と呼吸中枢とのクロストークの神経機構が解明され、嚥下による気道防衛の機構の解明が進んだ。本研究で得られる呼吸・嚥下機構に関する基礎生理学的成果を誤嚥性肺炎の予防、治療や、リハビリに役立てることにより、健康長寿社会の実現に貢献する。また、呼吸や嚥下運動を円滑に行うための医薬品の開発につながる可能性がある。
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