研究課題/領域番号 |
20H03877
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 (2022) 新潟大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
小野 高裕 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30204241)
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研究分担者 |
小野 弓絵 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10360207)
長谷川 陽子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60432457)
堀 一浩 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70379080)
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
村上 和裕 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60804490)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 高次脳機能 / 咀嚼 / 行動変容 / 超高齢社会 / 認知症 / ウエアラブルデバイス / 認知機能 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、咀嚼運動が脳血流を亢進させ、高次脳機能の維持・改善に繋がる可能性を示したが、今回新たに咀嚼行動をモニタリングするウエアラブルデバイスと共に、咀嚼行動変容を促すシステムの開発に成功した。そこで、本申請課題においては、「日常生活においてたくさん噛むことは高次脳活動に有利か?」と言う本質的な問いを掲げ、咀嚼行動変容が高次脳機能に及ぼす影響を、脳機能イメージング法と認知課題から検証する計画を立案した。本研究の結果から、咀嚼を伴う日常の摂食行動と高次脳機能との関連が明らかになれば、今後ますます増大する認知症・フレイル高齢者対策において医療費の増加を伴わない有効な提言が可能になると予測される。
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研究成果の概要 |
本研究は、国民的課題である認知症予防対策に新しい提言を行うために、古くから言われながら学術的検証がなされ得なかった「日常生活においてよく噛むことは高次脳活動の維持・改善に有利ではないか?」と言う問いに対する検証を本研究の目的とした。若年成人と高齢者を被験者とし、それぞれの年齢群を、咀嚼回数計を用いた咀嚼行動変容介入を行う群とコントロール群の2つに分け、1ヶ月の介入期間前後における認知機能並びに課題中の大脳資質活動の変化を、介入の有無群間において比較した。その結果、認知機能課題の成績には介入効果は認められなかったものの、介入群では咀嚼回数の増加に比例して前頭前野などの皮質活動の増加を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究において、咀嚼により認知機能に関連する海馬や論理的思考に関連する前頭前野の血流が増加すること、高齢者は若年者と比較して咀嚼による血流変化が大きい事が示され(Onozuka M, et al., 2008) 、申請者らも経頭蓋超音波ドプラ法を用いて咀嚼時において脳循環が有意に亢進することを報告してきた(Hasegawa Y, et al., 2007)。本研究の結果より、日常的に「よく噛む」という行動が認知機能に関わる大脳皮質活動の向上に寄与するとすれば、高齢者の認知機能低下予防の手段として簡便かつ有益なものとなる可能性が示唆される。
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