研究課題/領域番号 |
20H03889
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐々木 朗 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (00170663)
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研究分担者 |
志茂 剛 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40362991)
奥井 達雄 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (40610928)
吉岡 徳枝 岡山大学, 大学病院, 講師 (50362984)
伊原木 聰一郎 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80549866)
増井 正典 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (80881143)
小野 喜章 岡山大学, 大学病院, 医員 (30845384)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 銅キレート / 口腔癌 / 高カルシウム血症 / 破骨細胞 / 癌性骨痛 / 癌の骨浸潤 / 骨転移 / 骨破壊 / Lysyl oxidase / 癌の骨転移 / 癌関連線維芽細胞 / 癌性骨疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
銅キレート薬が血管新生阻害や抗癌薬の耐性解除に関与することが明らかになり,新たな癌の治療戦略として注目されている。本研究課題は,生体銅を標的とした癌の骨破壊病変に対する新規治療法の開発とその制御機構の解析を目的としている。具体的には,銅のキレート薬(Ammonium Tetrathiomolybdate;TM)の癌の骨破壊病変(骨浸潤・高カルシウム血症・骨転移・癌性骨疼痛)について,臨床材料ならびに疾患モデルを作製してその有効性と作用機序を解析する。また癌の骨破壊に重要な役割を果たす骨微小環境の癌関連線維芽細胞に注目し,銅依存性の骨破壊制御機構を解析し,銅を標的した新規治療への展開を図る。
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研究成果の概要 |
生体銅を標的とした癌の骨破壊病変に対する新規治療法の開発とその制御機構の解析を目的とし,血管新生阻害作用と破骨細胞形成抑制作用を示す銅のキレート薬(Ammonium Tetrathiomolybdate;TM)の癌の骨破壊病変について,臨床材料ならびに疾患モデルを作製してその有効性を検証した。口腔癌の骨浸潤と銅関連因子の関連が示唆された。疾患モデルでは骨転移や高カルシウム血症でのTMの有効性が示されたが癌性骨痛では傾向にとどまった。骨微小環境の癌関連線維芽細胞に注目し,TMの影響について網羅的タンパク発現の検証を行ったところ主に細胞骨格やHSP蛋白の上昇が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌による骨破壊は,腫瘍先端部の骨微小環境で,破骨細胞性骨吸収が進行し腫瘍が進展する。破骨細胞性骨吸収を抑制するBP製剤やデノスマブは癌の骨破壊制御の点で成功例であったが,薬剤関連顎骨壊死などの問題点も明らかになり,新たな戦略が必要である。本研究の意義は生体微量金属である銅の多機能性に着目した点であり,既存薬である銅キレート薬TMを応用した癌の骨浸潤,骨転移巣での癌の進展の抑制,癌性骨疼痛での治療戦略は実現可能なものであり,癌患者の微量金属に関する栄養管理面での治療戦略や拡大する医療費の問題や薬剤関連顎骨壊死のリスクからの脱却という課題への基盤となる。
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