研究課題/領域番号 |
20H03900
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄司 憲明 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70250800)
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研究分担者 |
西岡 貴志 東北大学, 歯学研究科, 講師 (50641875)
佐藤 しづ子 東北大学, 大学病院, 助教 (60225274)
駒井 三千夫 東北大学, 農学研究科, 名誉教授 (80143022)
坪井 明人 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (00241646)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 高齢者 / うま味感受性低下 / 食欲不振 / 総唾液分泌量低下 / 小唾液腺分泌量低下 / 栄養不良 / うま味 / 感受性低下 / 味覚受容体遺伝子 / 味覚障害 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では超高齢化や食生活の変化などを背景に味覚障害を有する高齢者が急増している。味覚障害は単なる感覚障害に留まらず、食欲不振から体重減少、さらに体調不良に直結することから社会問題になっている。我々は、他の基本4味(甘、酸、塩、苦)の感受性は正常でありながら、「うま味」の感受性のみが低下するため極度の食欲不振に陥る高齢者を数多く経験し報告している。本研究では、「うま味感受性低下」の原因は唾液中のグルタミン酸塩の低下および味覚受容体遺伝子に起因するという仮説を立証する。さらに本研究では、グルタミン酸塩補充療法による「うま味感受性低下」に対する治療基盤を確立し、健康長寿の実現に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究では、高齢者の味覚障害で最も多い口腔乾燥との関係を検討した。その結果、うま味障害は、総唾液分泌低下のある高齢者で他4基本味の味覚障害よりも罹患率が高いこと、さらに、総唾液分泌量は正常でありながら口腔乾燥感のある(小唾液腺分泌量の低下のみを有する)高齢者で、他4基本味の味覚障害は殆どないにもかかわらず、うま味障害が総唾液分泌量低下者と同等の罹患率でみられることが判明した。唾液分泌量増加によるうま味障害治療を目的として、うま味唾液反射を応用し、昆布だし液の繰り返し刺激により検討した。その結果、総唾液分泌量低下者と小唾液腺分泌量低下者の両者でうま味障害が改善し、健全なうま味感覚が持続した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
うま味障害は、高齢者フレイルのリスクである。また口腔乾燥は、高齢者味覚障害の最も多い原因である。これまで、味覚障害は、総唾液分泌量の低下で生じ、総唾液分泌量は正常である口腔乾燥感とは関連しないと考えられていた。しかしながら、本研究でうま味障害は、総唾液分泌量低下のみならず、口腔乾燥を訴える小唾液腺分泌量のみの低下者にも発生することが判明した。総唾液量が正常な口腔乾燥感のある高齢者は、一般には治療されていない。うま味唾液反射を利用した昆布ダシ液の繰り返しは、治療対象外であった一般の高齢者に対しても、副作用なく、うま味障害を改善しうま味感受性を維持してフレイルを予防し、高齢者の健康維持に貢献する。
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