研究課題/領域番号 |
20H03904
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
松下 健二 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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研究分担者 |
佐治 直樹 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院 もの忘れセンター, 客員研究員 (30624910)
里 直行 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 認知症先進医療開発センター, 副センター長 (70372612)
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
山田 匡恵 (古川匡恵) 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 口腔疾患研究部, 外来研究員 (90439456)
道川 誠 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40270912)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 認知症 / 歯周病 / 口腔機能 / 口腔細菌叢 / オーラルフレイル / オーラルディアドコキネシス / アルツハイマー病 / Porphyromonas gingivalis / 血管炎症 / 脳血管障害 / 16S rRNA菌叢解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、認知症対策に焦点を絞り、口腔からのアプローチによる新たな認知症対策の可能性を探ることを目的とする。具体的には、①腸内細菌叢、口腔細菌叢と認知症、特にアルツハイマー病との関連性の解析(ヒトおよびマウス解析)、②特定の口腔細菌、特にPorphyromonas gingivalisと脳アミロイド血管症との関連性の解析(マウスモデル)、③細菌叢、およびP. gingivalisをターゲットとした認知症対策の可能性の検討、以上の結果を総合して、口腔から始める新たな認知症対策を提案することを目指す。
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研究成果の概要 |
国立長寿医療研究センターを受診した183人に対し、認知機能検査と歯周病検査を実施し、両者の相関関係を検討した。認知症被験者は、定期的に歯科を受診しておらず、保有歯数が少なく、歯磨きの頻度が低くかった。 また、認知機能低下は、歯周病の重症度と有意に相関した。各種口腔機能と認知機能の関係を評価した結果、オーラルディアドコキネシスの/ka/音と反復唾液嚥下検査の低値が、軽度認知障害と認知症の高リスク傾向と関連していた。さらに、同被験者の舌苔プラークと歯肉縁下プラークの細菌叢に、認知機能低下と関連する細菌属と細菌種を同定した。加えて、歯肉縁下プラークの細菌が認知機能のレベルと強く関連した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、認知機能の低下と歯周病病態や口腔機能と相関関係があることが明らかとなった。本結果からは因果関係を明らかにすることはできなかったが、認知症患者における口腔ケアの重要性および口腔機能低下に対する対策の重要性を明示することができた。さらに、特定の口腔細菌の変動を調べることで、認知症のリスクを予測できる可能性が示唆された。今後、介入研究や縦断研究を実施し、因果関係を明確にすることで、口腔検査による認知症予測、さらには口腔の健康の維持・向上による認知症の予防の可能性も拡がるであろう。
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