研究課題/領域番号 |
20H03917
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
前田 正一 慶應義塾大学, 健康マネジメント研究科(藤沢), 教授 (20396708)
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研究分担者 |
横野 恵 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (80339663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 偶発的所見 / 二次的所見 / 説明義務 / 画像診断 / ゲノム解析 / 偶発的所見/二次的所見 / 法的課題 / 医学研究 / 医療 / 健康診断 / 法的義務 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、医学研究・診療・健康診断における偶発的所見(incidental findings: IF)ないし二次的所見(secondary findings: SF)の取扱いについて、①本邦における医学研究者・医師の意識と対応の現状を把握すること、②医学研究者・医師のIF/SFの取扱いに係る義務を法的観点から検討し理論的枠組みを提示すること、③本邦の医学研究・診療等の現状に即した実践の在り方を提示することを目的とする。 本研究では、①~③のために、国内外の文献や裁判例の調査による法的論点の抽出、関係者を対象とした全国調査(インタビュー・質問紙調査)等を実施し、法理論的・実践的検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、医学研究・診療・健康診断における偶発的所見(incidental findings)ないし二次的所見(secondary findings)の取扱いについて、①本邦における医学研究者・医師の意識と現時点での対応の現状を把握すること、②医学研究者・医師の偶発的所見・二次的所見の取扱いに係る義務を法的観点から検討し理論的枠組みを提示すること、③本邦の医学研究・診療等の現状に即した実践の在り方を提示することを目的とするものである。
【1.法的論点の抽出と整理】として、これまでに実施した論点整理、判例調査の結果に基づき、文献調査・研究会開催を通じて法的論点を分析した。また、【2.実態調査における質問紙の作成】として、上記の法的論点の整理や先行調査の分析等を活用して、実態調査における質問紙の作成に着手した。その後、【3.米国等で策定された具体的な指針の精査】として、海外の指針を精査した。 なお、【3.米国等で策定された具体的な指針の精査】について付言すると、わが国では、特に診療・健康診断については、ゲノム医療との関係を除けば、具体的な対応策を示す指針の作成は進んでいないと言える。これに対して米国では、ゲノム医療以外の診療についても、具体的な対応策を示す指針が医学団体により作成されている。この点との関係で米国の放射線科医に対して聞き取り調査を実施したところ、施設指針を策定している医療機関も少なくないことに加え、個々の医師等による現場での対応状況や課題の概要を把握することができた。特に患者への説明義務との関係など、現場での課題等について、引き続き丁寧に把握することが重要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Covid-19に係る諸状況を鑑み、当初予定していた実態調査と海外指針調査の時期を入れ替えて対応することとした。 なお、海外指針との関係では、現場での対応実態や課題を把握することの重要性を鑑み、当初には予定していなかった、米国の研究者・医師を対象として聞き取り調査を追加して実施した。
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今後の研究の推進方策 |
【1.実態調査の実施】として、実態調査を行い、偶発的所見・二次的所見の取扱いに係る医学研究者・医師の意識や対応の現状、現場で直面している課題、法的リスクに対する懸念等を把握する。 次に、【2.偶発的所見・二次的所見に係る法的見解の提示】として、法的観点からの見解を示し、【3.IF/SF の取扱いの在り方についての提言】として、偶発的所見・二次的所見の取扱いの在り方について提言する。
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