研究課題/領域番号 |
20H03935
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
市原 佐保子 自治医科大学, 医学部, 教授 (20378326)
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研究分担者 |
三瀬 名丹 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00360644)
池上 昭彦 自治医科大学, 医学部, 講師 (60748739)
市原 学 東京理科大学, 薬学部薬学科, 教授 (90252238)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | ナノ素材 / 炭素繊維 / 血管内皮細胞 / 動脈硬化 / 炎症反応 / 繊維状物質 / インフラマソーム / 酸化ストレス / 心血管系 / 初期影響評価マーカー |
研究開始時の研究の概要 |
ナノテクノロジーは、新材料創出、医療応用、地域温暖化防止に関係する環境技術等に応用可能であり、社会への貢献が期待される一方、新規工業的ナノ素材の健康への影響に社会的関心が高まり、生体影響に関するリスク評価が求められている。本研究では、今後その応用が期待されているカーボンナノチューブを含む繊維状物質に注目し、心血管系に対する影響を実験的に明らかにすると同時に、国内外のカーボンナノチューブ/炭素繊維加工工場の労働現場を調査し、曝露評価および繊維状物質によるヒトの心血管機能への影響を検討し、初期の影響を予測するバイオマーカーの有効性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、今後その応用が期待されているカーボンナノチューブを含む繊維状物質に注目し、心血管系に対する影響を実験的に明らかにすると同時に、国内の炭素繊維加工工場の作業環境測定を実施した。その結果、カーボンナノチューブのマウスへの高濃度曝露は、動脈硬化巣形成を誘発し、その作用機序として、インフラマソームによる炎症誘導機構が関与していると示唆された。また、工場調査で、高アスペクト比の潜在的に危険な繊維が炭素繊維加工中に発生することを確認した。作業環境の安全を確保するには、研磨後に発生する炭素繊維破片のリスク評価が必要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノテクノロジーは、新材料創出、医療応用、地域温暖化防止に関係する環境技術等に応用可能であり、社会への貢献が期待される。反面、新たな物性を持つため、ナノレベルの材料は従来の測定法では有害性の定量評価が出来ず、ヒトに対する未知の有害性リスクを有する可能性が懸念され、生体影響に関するリスク評価が求められている。本研究により、産業技術の発展や新しいイノベーションの創造に期待されるナノテクノロジーにおいて、重大なリスクを回避して有効利用を可能にするために、並行して、安全性評価の実施が必要であることが明らかになった。
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