研究課題/領域番号 |
20H03945
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
堀口 兵剛 北里大学, 医学部, 教授 (90254002)
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研究分担者 |
大森 由紀 北里大学, 医学部, 助教 (30415971)
松川 岳久 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60453586)
小松田 敦 秋田大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70272044)
中嶋 克行 女子栄養大学, 付置研究所, 客員教授 (10444051)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | カドミウム / 秋田県 / 農業従事者 / 米 / 尿細管機能障害 / 住民健康診断 / メタロチオネイン / 遺伝子多型 / カドミウム腎症 / ヒ素 |
研究開始時の研究の概要 |
秋田県の北部・中部・南部のCd汚染地域の農業従事者は現在でもCd体内蓄積量は高く、健康影響が危惧される。これまでに北部Cd汚染地域での住民健康調査と各Cd汚染地域での医療機関におけるCd腎症スクリーニングにより多くのCd腎症患者や「イタイイタイ病」疑い患者を見出したが、調査対象を中部・南部のCd汚染地域まで拡大し、北部地域での追跡調査、湛水管理の米中ヒ素濃度への影響の観察なども実施する。それにより秋田県Cd汚染地域全体の実態把握、高齢でのCdの健康影響の解明、ヒ素に関する湛水管理の有効性と安全性の検討などを行い、地域住民のCdに関する健康問題の根本的な解決を目指す。
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研究成果の概要 |
秋田県の北部と南部に存在するカドミウム(Cd)土壌汚染地域において、自家産米摂取によりCd曝露を受けた農業従事者を対象に住民健康診断及び医療機関におけるCd腎症スクリーニングを継続して実施している。いずれの地域においても種々の対策により基準値を超えるCd濃度の米は生産されなくなり、住民のCd摂取量は低減しているが、対照地域と比較して住民は現在でも高い体内Cd蓄積を示し、高齢者ではCd腎症を発症していると考えられる人も存在した。また、Cdに対して防御的な作用を持つメタロチオネインという蛋白質の遺伝子多型がCd腎症の発症に関与する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内外のCd土壌汚染地域での多くの疫学研究の中で、住民健康診断と医療機関におけるCd腎症スクリーニングを組合せたものは本研究が世界で初めてであり、また秋田県のCd土壌汚染地域で20年以上継続して調査を実施してきた研究者は研究代表者のみであり、学術的な独創性は非常に高い。また、秋田県の多様なCd土壌汚染地域での住民への健康影響や湛水管理による影響の実態をかなりの程度に解明できたため、学術的意義は高い。そして、本研究成果により、秋田県のCd土壌汚染地域の農業従事者に対する直接的なCd曝露の予防対策、及び消費者への安全な米の供給を通した一般国民の公衆衛生の向上にも貢献できたと考えられる。
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