研究課題
基盤研究(B)
本研究では、アンケート情報と生体試料を繰り返し収集している大規模前向きコホート研究という極めて独自性が高い研究基盤を最大限に活用し、ビタミンDとがん罹患との因果関係評価に資するエビデンスの構築を目的とした研究を実施する。具体的には、①血中ビタミンD濃度の繰り返し測定値を用いた検討、②ベースライン調査集団に含まれない5年後調査集団を対象とした検討、③アンケート情報から血中ビタミンD濃度を予測した値を用いた検討、④メンデルのランダム化解析を用いた検討、と4つの課題について検討する。
多目的コホート研究におけるベースライン調査と5年後調査の2回の繰り返しデータを活用するために、2つのケース・コホート研究の統合解析方法を提案し、5年後調査に基づき全がん症例5377例を含むケース・コホート研究を新たに構築した。また日本分子疫学コンソーシアムの協力を得て、日本人を対象に血中ビタミンD濃度に関するメンデルのランダム化解析を実施したが、全がん・大腸がん罹患リスクとの間に統計学的に有意な関連を認めなかった。
前向きコホート研究における血漿検体を用いた繰り返しデータの解析基盤は、国際的に見ても極めてユニークであり、この基盤を活用した研究の展開が期待される。未知・未観察の交絡因子の影響を制御するという観点において、メンデルのランダム化解析からのエビデンスは重要であり、ビタミンDとがんとの因果関係評価への貢献は大きい。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Sci Rep.
巻: 13(1) 号: 1 ページ: 2384-2384
10.1038/s41598-023-29596-8