研究課題/領域番号 |
20H03952
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
溝上 哲也 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 臨床研究センター部長 (60269074)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 加熱式たばこ / 健康影響 / 職域疫学研究 / 労働者 / 職域多施設研究 |
研究開始時の研究の概要 |
たばこに対する規制や国民の健康意識の高まりにより喫煙率は一貫して低下してきたが、近年、加熱式たばこの市場が急速に拡大し、健康への影響が強く懸念されている。本研究では、労働者5万人を対象に加熱式たばこ使用の実態を調べ、紙巻きたばこからの移行や両者の併用、及び使用者の社会心理的特徴を明らかにする。職場の定期健康診断データと突合させ、心血管系疾患危険因子、糖代謝異常、聴力低下等、たばこの影響が比較的短期に現れることが予想される健康アウトカムと加熱式たばこ使用との断面的及び縦断的関連を分析する。ある企業の従業員1,800名の尿中コチニン濃度を測定し、加熱式たばこ使用の自己申告データの妥当性を評価する。
|
研究実績の概要 |
1.加熱式たばこの健康影響の断面分析: 2018~2019年度に加熱式たばこ使用を含む健康調査を行った約4万人の職域集団について、HDLコレステロール及び糖代謝との断面的な関連を調べた。加熱式たばこ使用者のHDLコレステロールは非喫煙者に比べると約1mg/dL、統計学的に有意に低かったものの、紙巻きたばこ喫煙者は約4mg/dL低いことより、加熱式たばこはHDLコレステロールに対しては一定の改善が見込めることが示唆された。しかしながら、加熱式たばこ使用者に多い紙巻きたばことの併用者においてはそうした改善はみられなかった(Sci Rep 2022)。一方、糖代謝異常(前糖尿病・糖尿病)については、加熱式たばこ使用者は紙巻きたばこ使用者と同程度のオッズの上昇を認めた(Acta Diabetol 2023)。 2.加熱式たばこに関する疫学調査の実施: ひとつの協力事業所において2022年4月から5月にかけて加熱式たばこ使用に関する質問を含む調査票を用いた調査を実施した。調査結果を報告書にまとめて事業所にフィードバックした。 3.縦断的データの作成: 2017年度より健康診断の問診項目として加熱式たばこ使用に関する情報を収集している企業(約3万名)について、2017年度を起点に2021年度までの健康診断データを連結し、加熱式たばこの健康影響を縦断的に解析するためのデータベースを作成した。 4.追跡調査の準備:2018年度に調査を行った事業所(従業員2,000人)において、5年後にあたる2023年5~6月の定期健康診断時に行う追跡調査の準備として、事業所での承認の手続き、健康診断業者との打合せ、調査票のデザインを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い事業所で調査を実施する時期が遅れていたが、研究費を翌年度に繰り越し実施することで、当初の計画していたデータがほぼ収集できている。 ただし、調査スケジュールが1年間遅れており、成果とりまとめのためには研究期間を延長する必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度中に当初予定していた事業所での調査をすべて終える見込みだが、新型コロナウイルス感染症流行のため調査スケジュールが1年間遅れている。このため、縦断的な解析や論文執筆のため研究期間を延長して対応する予定である。
|