研究課題/領域番号 |
20H03957
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10364077)
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研究分担者 |
野坂 みずほ 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00244731)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 大動脈瘤 / 突然死 / ケモカイン / マウス / 分子機序 |
研究開始時の研究の概要 |
腹部大動脈瘤動物モデルを用いて,大動脈瘤の病態形成過程においてkey playerとなるケモカイン及びケモカイン受容体の発現動態と病態形成との関係性を明らかにする.その結果に基づいて,実際の法医剖検例において採取した各種臓器におけるケモカイン及びケモカイン受容体の動態を検討する.最終的には,ケモカインシステムが動脈瘤を起因とする突然死における死因判定の有用な分子指標の一つとなり得るか否かについて検討し,病態生理学に基づく分子生物学的法医診断法の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
われわれは、腹部大動にCaCl2を塗布すると、大動脈内にマクロファージが浸潤し、CCL3およびMMP-9の発現が亢進し、腹部大動脈瘤が誘導されることを見出した。Ccl3-/-およびCcr5-/-マウスの両者は、マクロファージ浸潤とMMP-9発現の増大を伴うCaCl2誘発腹部大動脈瘤を増悪させた。CCL3の中和は、CaCl2処理したCcl3-/-マウスと同様の表現型を示した。逆に、CCL3投与は野生型マウスとCcl3-/-マウスの両方でCaCl2誘発腹部大動脈瘤を減弱させた。従って、CCL3はMMP-9の発現を抑制することにより、CaCl2誘発腹部大動脈瘤発症を予防するのに効果を発揮しうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の実験的研究は、CCL3-CCR5経路がAAA形成において保護的な役割を果たしていることを示している。白人のかなりの割合がヒトCCR5遺伝子にΔ32と呼ばれる32塩基対の欠失対立遺伝子を有しており、CCR5 Δ32変異を持つホモ接合体は、Ccr5-/-マウスと同様に機能的なCCR5タンパク質を発現しない。CCR5 Δ32変異はAAAの発症率を増加させたが、これはCaCl2-あるいはAngiotensin IIで処理したCcr5-/-マウスにおける我々の観察と一致していた。したがって、動脈瘤に対するCCL3の治療活性を検討することは妥当である。
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