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看護系大学における臨床実習前の共用試験の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20H03968
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分58050:基礎看護学関連
研究機関聖隷クリストファー大学

研究代表者

西川 浩昭  聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (30208160)

研究分担者 佐伯 圭一郎  大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50215521)
桂川 純子  豊橋創造大学, 保健医療学部, 准教授 (40369608)
服部 美穂  人間環境大学, 看護学部, 准教授 (90639551)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
キーワード看護学共用試験 / CBT / OSCE / 看護系大学 / 能力評価 / 共用試験 / 臨床実習
研究開始時の研究の概要

医療系職種の養成課程に組み込まれている臨地実習に参加する学生の質の保証を目的とした共用試験を看護系で実施するための第1段階として、看護系大学の学生に限定して実施するための準備的研究を行なう。さらに、共用試験を実用化するため問題点を明らかにし、その対応策を検討することを目的とする。具体的には、共用試験の方法であるCBT(Computer Based Testing)システムについての情報収集、作成された問題の管理、共用試験についての看護系教員の意識把握と実施するための環境把握、技術試験(OSCE)の実施とそれに必要な資源(ヒト・物品等)の準備と、評価項目および評価基準を検討する。

研究実績の概要

医療従事者を養成する課程では、実際の患者を対象として医療機関で行う臨地実習が必修となっており、各養成課程のカリキュラム中で重要な位置を占めており、同時に多くの時間をかけている。しかしながら、こうした実習内容の大半は、医療行為に該当し、業務独占行為であるにも拘わらず、履修者は学生で、実習時には該当する行為を行う資格を有していないという問題を含んでいる。この点に対する対応策として、医学・歯学では平成17年より臨地実習に参加する学生の学力と技術力を保証する目的で、全国の学生を対象として、共用試験実施機構が共用試験を実施しており、最終的な判断は各大学が行うのであるが、この試験である水準以上の成績を修めることが出来ない者は臨地実習を行うことが出来ないようにしている。これは、学生が所属する大学の教員の判断による単位の取得や卒業というものとは異なり、独立した機関により行われることにより、公平性を確保し、この手続きを踏むことが違法性阻却事由の一つに該当すると考えられ、厚生労働省が望ましいとの通達を出している。さらに、薬学においては平成21年より、理学療法課程では、令和2年より開始されている。他方、看護においては、臨地実習を行っているにも拘わらず未実施で、ようやく看護系大学協議会により検討が始められているが、まだ実用にはほど遠い現状である。そうした点を踏まえ、本研究は、看護学を履修している学生にとって必須となっている臨床実習に臨む際にその学力と実技能力を保証するための共用試験の実施に向け必要となる内容・システム・評価基準などを検討し、可能な限り決定することを目的として研究を継続している。なお、こうした試みは10年前に2件の科学研究費のプロジェクトにより試みられたものであるが、研究代表者の他界により中断してしまっていたものを引き継ぐものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

学力評価のための共用試験については、以前の研究費プロジェクトで作成・使用したシステムの動作確認を分担研究者で、システム管理担当の佐伯氏に依頼した。模擬受験者としての確認については、研究代表者・分担者で行った。前回使用した問題の内容確認と修正については、研究代表者・分担者で手分けをして行った。これにより、CBTによる共用試験についてはモニター試験の実施可能な状況となった。しかし、各大学の実施環境が明らかではないため、実用に向けてのハードルは残っている。
実技試験OSCEに関しては、分担研究者の桂川氏と内定後に分担者として追加した服部氏に実施する内容の検討を依頼した。両者は数回の検討会と大学のカリキュラムとして実技試験を取り入れているいくつかの大学を訪問し、実技試験を観察、実施責任者との面談を行って実技試験の項目について検討を行ない、現在、実施待ちの状況である。対象学生と実施に必要な模擬患者の状況が改善すれば実施可能な状況である。
そうした努力によりモニター試験の実施まで、あと一歩のところまでこぎ着けることが出来たにもかかわらず、OSCE試験の性質上どうしても対面での実施が不可欠のため、コロナ禍では実施が不可能であった。
その点を考慮し、実施内容を確認する目的で、研究代表者・研究分担者の所属する大学に所属する少数の教員と少数の学生を対象に聞き取り調査を行い、実施に向けての問題点を明らかにすることを試みた。

今後の研究の推進方策

学力評価のための共用試験については、システムの動作確認、問題の適切性の確認と修正、新規に問題を作成しての問題数の増加、合否水準としてのカッティングポイントの設定、実施環境の確認などの作業が必要である。これらの内、学生を集めての試験実施が前提となっているシステムの動作確認、問題の適切性の確認、合否水準の設定については、一度に多数の学生が集まり密状態になることが避けられないため、実施することが容易ではなかったが、新型コロナウイルス感染症が収束し、5類感染症として扱われることになったので、実施が可能となった。それ故、2024年度中に実施するための準備を行っている。実施環境の確認については、後述するOSCEに関する内容と合わせて、対象となる看護系大学に照会する作業を2024年度に行うべく準備している。
実技試験OSCEに関して必要な作業は、試験項目の確定、評価基準の作成、必要物品の確定、シナリオ(設定状況)の作成とそれに関連した映像媒体の作成、模擬患者の確保と指導・訓練である。これらのうち、評価に関する項目については、学生を対象としたモニター試験の実施が必須となるため、新型コロナウイルス感染症の終息を待っていたが、感染症法上の分類が変わったので実施が可能になったが、模擬患者に関する問題は解決していない。これについては早期に解決し、2024年度中の実施に向けた準備を行っている。
共用試験CBT、実技試験OSCEともに、研究の計画では同じ内容を繰り返すことが予定されていたが、2024年度の対象数を増やすことで、収集する情報に関する問題はクリアされると考えている。同時に両者にとって必須の問題であるその内容と結果の妥当性の検証についてもその過程で明らかに出来ると考えている。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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