研究課題
基盤研究(B)
がんゲノム医療は、「第3期がん対策推進基本計画」の中心施策であるが、多くの医療従事者は、患者や家族に対して、どのように対応すればよいのか経験が不十分である。そこで、遺伝性腫瘍への偏見や苦手意識を持つことなく、がんゲノム医療に携わることができる人材育成を行うために、がん看護専門看護師を対象としたがんゲノム医療における看護師の役割に関する教育プログラムを開発し、介入効果をクロスオーバーランダム化比較試験(RCT)にて検証する。
2022年度は、がん看護専門看護師を対象としたニーズ調査をもとに、がんゲノム医療と遺伝性腫瘍に関する知識普及のための教育コンテンツを作成し、介入研究の準備を整えることを目的とした。がん看護専門看護師を対象とした教育ニーズ調査研究の結果、①現在すでに自施設での遺伝カウンセリングへ関与しているがん看護専門看護師、②これから関与する予定であるがん看護専門看護師、③現時点では自施設でそのような取り組みの予定はなく関与する予定はないがん看護専門看護師、という状況であった。それぞれの教育ニーズは、①は、遺伝性腫瘍に関する知識のアップデートや、より具体的な実践場面での対応方法などアドバンスな内容に関する教育を望んでいた。②は、関与することは計画されているが、そのためにはどのような知識を習得しておくとよいのか検討がつかないため基本的な知識を得られる教育の機会を望んでいた。③は、自施設で医療が開始されなくても専門看護師として基本的な知識を習得したいというニーズがあった。このように経験値は様々であるが、基本的な知識を習得し、実践的な学びも含めてそれらをアップデートしたいというニーズは共通であった。そこで、これらをもとに教育コンテンツを作成した。内容は、基本的な知識に関することと、事例をもとにどのような視点でアセスメントを考えていくか、という構成とした。介入方法としてクロスオーバーRCTを計画していたが、研究開始以降から、がんゲノム医療と遺伝性腫瘍に関する学習機会が大きく進展し、学習リソースが増え、様々な学会等から無料で提供されているものも存在する。そのため、非介入群を設定することは、研究参加者へのデメリットが大きいため介入方法を検討し、e-learningシステムでの介入と集合教育での事例検討という2部構成へと変更した。そして、研究用ホームページを作成し、現在運用を確認しているところである。
3: やや遅れている
がん看護専門看護師を対象とした教育ニーズ調査研究の分析が遅れたこと、この結果を受けて介入方法を再度検討し修正したことによる。
e-learningシステムを掲載した研究用ホームページの運用確認を行い、介入内容を整える。そして、介入研究の対象者となるがん看護専門看護師に対しては、日本看護協会のHPの名簿をもとに研究内容に関する書面を送付し、書面にて参加同意の得られた対象に研究を実施する。介入内容は、e-learningシステムでの個人学習と集合教育での事例検討であるため、これらの教育内容の硬化の評価方法を再度検討し、実施する。
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