研究課題/領域番号 |
20H03997
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浅野 みどり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30257604)
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研究分担者 |
大橋 幸美 日本福祉大学, 看護学部, 准教授 (00552986)
古澤 亜矢子 日本福祉大学, 看護学部, 准教授 (20341977)
山口 知香枝 金城学院大学, 看護学部, 教授 (70514066)
大村 知子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (80351154)
野々山 友 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (80907808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 養育期家族 / Well-being / NICU/GCU / 予防的子育て家族支援 / アレルギー / ウェルビーイング / 育児ストレス / アレルギー疾患 / 縦断研究 / 養育期の家族 |
研究開始時の研究の概要 |
食物アレルギーや低出生体重児/多胎児など新生児集中治療室(NICU/GCU)への入院など現代の特徴的な健康ニーズをもつ子どもを養育する家族は、家族のウェルビーイングを妨げられるリスクに直面しやすい。超少子化が進行する現状において、養育期家族のウェルビーイングを促進し、子どもたちの安全かつ健康な生育を社会全体で保障していくことは重要な課題である。本研究では、特徴的な健康ニーズ(①NICU/GCU退院後②多胎児育児③食物アレルギー)をもつ子どもを養育する家族について、親性発達の現状と育児ストレスとの関連を縦断的に明らかにすることで、予防的家族支援につながる要因を検証する。
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研究実績の概要 |
未就学児を養育中の家族を対象に、NICU入院経験群(以下N群),アレルギー群(以下A群),対照群(以下C群)の3群を比較し、育児ストレス・親性の推移および関連要因を明らかにすることを目的とした。6歳以下の子どもを養育中の親1,030名[N群 206名,A群 206名,C群 618名]を対象にWEBによる縦断調査を行った。初回調査はCOVID-19パンデミック第5波を過ぎた2021年12/8、2回目は第6波のピークを過ぎた2022年3/1、3回目は第7波ピーク時9/13に実施した。調査内容は子どもの特性・親の心身健康状態・育児ストレス(PSI-SF:2側面19項目)・親性発達(3側面33項目)、気がかりの有無、家族機能等でSPSSを用い育児ストレス・親性発達スコアの推移、子どもの特性による群間比較を行った。 全3回の回答者は652名[N群119名(初回回答数の57.8%),A群126名(61.2%),C群407名(65.9%)]であった。PSI-SF総点平均値の推移では3群共に3回目が最も高かった(N群49.2±12.7→50.3±12.6, A群51.3±12.2→52.3±12.6, C群48.6±12.1→49.4±12.5)。 一方、親性発達では3回目が3群共に若干低かった(N群119.0±18.8→117.9±19.3, A群118.8±18.9→117.6±17.3, C群119.1±19.1→117.8±18.7)。子どもの特性によるPSI-SF総点の3群間比較においては、一貫してA群が最も高値でC群が最も低値であったが、有意差を認めたのはPSI-SFの子側スコアのみであった(一元配置分散分析 p<0.05)。育児ストレスと親性発達との関連ではPSI-SFと親性発達との全側面でr=-.73~-.31と有意に負の相関を認めた(p<0.01, Spearman’s ρ)。気がかり「有」群ではPSI-SF親側スコアが全ての時期で高く、親性発達の親以外の認識で有意に低かった。親の心身状態「心身快調」と回答した親はA群・N群はC群より少なく3群間に有意差を認めた(クロス集計)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で、縦断調査開始の時期は若干遅れたものの、2022年度内に第2回目(3か月後)および第3回(9か月後)の調査を実施することができた。縦断調査全3回に回答してくれたのは初回の約6割であり、4割弱のドロップアウトが生じたが、幸い3群の比率に大きな差は生じなかった。 なお、各群の一部への質的調査(インタビュー)の実施がまだ実施できていない点では遅れが生じており、量的データによる分析は進んでいるが、質的データを加味した分析がまだ行えていないことから、全体的な進捗状況については「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は最終年度となるため、量的データの更なる分析と行うとともに、各群につき数組とくにアレルギー群およびNICU/GCU入院経験群の親へのインタビュー調査を実施する。加えて、WEB質問紙調査の自由記載欄の記載内容の質的内容分析も行う。インタビュー調査はできるだけ早期(遅くとも夏まで)に実施し、質的データの分析を急ぎ、量的結果と質的結果を合わせて全体の分析を行う。さらに、今年度の成果発表は量的データの分析結果を中心に、日本小児看護学会、日本臨床小児アレルギー学会、日本家族看護学会で発表予定である。
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