研究課題/領域番号 |
20H04003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 湘南医療大学 |
研究代表者 |
島田 啓子 湘南医療大学, 大学院保健医療学研究科, 教授 (60115243)
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研究分担者 |
斉藤 琴子 湘南医療大学, 保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻, 准教授 (20599758)
小野 政徳 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70348712)
三谷 裕介 金沢大学, 附属病院, 講師 (50622817)
小島 淳哉 東京医科大学, 医学部, 講師 (70617539)
西袋 麻里亜 東京医科大学, 医学部, 助教 (40959350)
窪田 和巳 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (50728946)
鶴見 薫 湘南医療大学, 大学院保健医療学研究科, 助教 (50858511)
菅波 佑介 東京医科大学, 医学部, 助教 (30600746)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 低出生体重児 / 体動特性 / 可視計量化 / 発達追跡 / 関連探索 / 低出生体重 / NICU / 体動 / 客観的計量化 / 発達指標 / 計測システム / 分娩形態 / 正常新生児 / 体動計測 / 機器開発 / 定量計測 / 体重 / 開発 / 発達 |
研究開始時の研究の概要 |
低出生体重児のNICU管理中の体動は、全身状態や発達を評価するうえで重要な所見でありながら、その所見は観察者の主観的な評価にとどまっている現状にある。 本研究では、低出生体重児の体動計測システムを開発し、児の体動を客観的かつ定量的に測定し、体動記録の標準化に資する基礎研究である。同時に、児のNICU入院中の体動数と退院後の成育・発達指標との関連性を追跡して明らかにする。その成果は医学的に、周産期・新生児医療の診断と予測に貢献する一方で、看護理工学的な観察による臨床観察の信頼性とNICU児の発達支援の指標を探る発展的研究である。
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研究実績の概要 |
本研究は、NICU入院中の低出生体重児の体動を長時間連続的に測定し、客観的に定量的に評価できる体動計測システムを開発すること、そして児の定量化された体動数とNICU退院後の児の成育・発達指標との関係を明らかにすることを目的とする。 今年度は、本研究で開発した圧電センサを用いた小型の体動計測システムを用いて、機器の妥当性および信頼性の確認を検討しながら一部のプログラム改良を行いデータ蓄積ごとに検討した。対象児は施設の出入りの制限があるなかで、臨床の協力と児の観察とデータ計測が可能な研究分担者を加えて分析および検討を重ねた。 その成果は、2022年12月の第42回日本看護科学学会学術集会で優秀演題口頭発表賞を受賞して、より建設的な助言や評価を得た。その研究テーマは、「圧電センサと画像解析を併用した新生児の自発運動の計量化と動きの関連」であり、新生児の自発運動による体動の圧電位と動画による部位(頭部、体幹、四肢)別の動きの特徴が示唆された。 また同年11月に第6回日中韓看護学会にて、研究テーマ「Comparison of body movements between low-birth-weight infants and normal infantsc」を発表した。客観的に数量化した正常体重児と低出生体重児の違いについて、双方とも体重に相応した体動数が観察された。事例数の少なさから結論は保留だが2500g以上と2500g未満の児で体動の特性も異なる可能性が示唆された。これらの知見は体重の背景にある早産か正期産かの違いも考えて考察する。 現時点の課題として、低出生体重児の追跡データの脱落率が約50%あるため、体動と児の発達と追跡データの分析を深めるためにも、さらに対象児のデータを増やす必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響は緩和されてきたものの、NICU施設の入室制限が続いていたため、児の観察と計測が可能な範囲で検討できたが、事例数の確保は計画通りには進まなかった。臨床の感染管理システムも安定化されて、児のデータ収集協力は改善されつつあるが、体動計測器材の充電池の耐用時間を改善して正確な体動検知ができることを再確認する作業が必要であった。器材操作の不安定さが散発したため、一時作業を中断して点検を行い、安定した充電器材の新規交換、取得データと計測器材の記録の確認から器材専門家の助言を受けて検討を重ねる必要があった。 一方で開発した器材の担当者が変更になり、不規則な操作になったため、充電器の継続にタイムラグが発生してデータ解析を再検討することを優先した。計測機材の確認試行と耐用できる充電器の発注をしながら観察・計測の協力許可を待つ必要が生じて少し遅延せざるを得ない状況であった。
その間に、一部成果を複数の国内外の関連学会に速報発表してきた。参加者および専門家から研究の意義を評価されると同時に臨床での課題について助言をうけて、その後の計測と研究参加者の協力依頼に活用している。計測機器の操作が簡便で充電耐用時間も可視化して観察できるように改善が進んできた。 同時に、NICU退院後の児の発達追跡が確保困難で検討可能なサンプル数の確保に努めている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
NICU施設の研究者の入所制限は改善傾向にあるが、NICU児の出生数が一定でないこと、退院後の追跡データの自然脱落率も多くあるため、できるだけ対象児の人数を確保する工夫を行う。データ人数の確保の代替案として、郵送調査と並行して電話による聞き取り手法も導入して、書面の回答記入やポストインする労作の軽減を図り分析が可能な人数確保に努める。 NICU児の体動計測の素データを関連分析ができるように、データシートの変換を検討する。その変換シートのデータで児の外来で追跡した発達状況と体動数の関連を探ることができるように、研究分担者の再編成と役割分担を検討して最終年度の成果の総括を行う。
最終年度にあたり、これまでの成果の発表内容を整理して、COVID-19 前の計画目標に到達する工夫を研究分担者が連携して行う。成果の系統的な構成を行い、文献レビューを再検討する。
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