研究課題/領域番号 |
20H04008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石橋 みゆき 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (40375853)
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研究分担者 |
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30279624)
熊谷 忠和 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (30341655)
佐々木 ちひろ 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (50845071)
伊藤 隆子 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (10451741)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Transitional ケア / コアコンピテンシー / 教育プログラム / 専門職連携 / 退院支援 / 教育プログラ / 在宅療養移行支援 / 急性期病院 / Transitionalケア / 療養の場の移行支援 / 退院支援に係る看護技術 / リハビリテーション / ソーシャルワーク / Transitional Care / 地域連携 |
研究開始時の研究の概要 |
在宅療養移行支援など療養の場の移行支援であるTransitionalケアは,適切な専門職により異なるレベルの療養の場を移行する際に医療と生活の継続を目的に行われるケアである.しかし,対人援助技術を用いて医療と生活の継続を支援する専門職に共通するコンピテンシーを明らかにした研究は国内外をみても未だ行われていない.そこで,本研究にて医療と生活の継続を支援するため対人援助技術を用いる看護学,社会福祉学,地域リハビリテーション学に共通するTransitionalケアのコンピテンシーを明らかにし,それらを基盤とした基礎教育から現任教育まで一貫した地域連携教育プログラムを開発する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、医療と生活の継続を支援するため対人援助技術を用いる看護学,社会福祉学,地域リハビリテーション学に共通するTransitionalケアのコンピテンシーを明らかにし,それらを基盤とした基礎教育から現任教育まで一貫した地域連携教育プログラムを開発することである。本研究はTransitionalケアコンピテンシーを明確化する第一段階とコンピテンシーを基盤に地域連携教育プログラムを開発する第二段階の2段階構成であり、令和3年度は第一段階の分析のためのデータ収集を実施した。データ収集は、診療録等の内容及び内容についてさらに詳細を確認するグループインタビューにより実施した。 研究チームは総勢15名であり、うち、9名が医療現場に所属する実践者である。その実践者であるメンバーが、研究目的に沿って多職種がかかわった退院支援事例を選定した。データ収集は、選定した事例に関わった看護師、ソーシャルワーカー(以下SW)、リハビリテーション療法士(以下、リハスタッフ)の実際の記録から、先行研究結果「退院支援に係る看護技術」をもとに内容を抽出し、グループインタビューで深くたずねる箇所をハイライトし、インタビューガイドを作成した。グループインタビューは2か所の急性期病院で3グループを形成し、合計10名(看護師4、SW3、リハスタッフ3)を対象に、研究メンバーが3グループに分かれて実施した。 令和4年度は、記録とインタビューの内容分析により得られた退院支援に係る技術をもとに、研究会を複数回開催し、各職種のTransitionalケアのコンピテンシーを見出し、さらに看護、ソーシャルワーク、リハビリに共通するコアコンピテンシーを見出していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時の計画では、Transitionalケアのコアコンピテンシーを明確化する第一段階を2020年度~2021年度の2年間で実施することとしていた。しかし、当初の計画よりも1年ほど遅れて進捗している状況がある。進捗が遅れた理由は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことによる。 まず、グループインタビューの対象者となる急性期病院の退院支援に携わる看護師等の業務がひっ迫したため、対象者の負担状況を考慮し、インタビューの時期を感染が落ち着いている時期とした。加えて、対象事例の退院支援に関わる記録の抽出、読み込み、インタビューガイドの作成を研究会メンバー全員で実施したが、研究メンバーの3分の2が実践者で構成されている事から、研究メンバーの本務の状況等を勘案し、無理がない時期にインタビューの準備を実施する方針とした。以上のように、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、インタビュー対象者及び研究メンバー、中でも実践者であるメンバーの負担状況に配慮したことから進捗が遅れている。 さらに、対象事例が入院していた医療機関において研究実施の許可を得る手続きにも時間を要したことも進捗が遅れた原因である。これは倫理審査体制が令和3年度より変更されたことによるが、本研究が多施設共同研究の扱いとなったため、学内の施設における実際許可を得るために1-2カ月を要した。この点は、計画段階でも想定できた事案であり、今後調査を進めるにあたっては、十分留意して取り組みたい。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、得られたデータから、Transitionalケアに含まれる技術を抽出し,技術を可能とするコンピテンシーを3専門職(看護、リハビリテーション、ソーシャルワーク)の視点から読み取る作業を繰り返し,専門家の意見を聴取し3専門職に共通するTransitionalケアのコンピテンシー(=コアコンピテンシー)を明確化していく.分析の途中で、データを追加する必要性についても併せて検討し、必要な場合は、追加のインタビューを設定する。 令和4年度中には、本研究の第2段階に進むために、明確化したコアコンピテンシーを基盤として,研究メンバー全員で教育目標、教育内容について検討を始める。 教育目標、教育内容の検討にあたっては、研究メンバーのうち、教育機関に所属する教育者メンバーを中心に、実践者メンバーの意見も踏まえ、Transitionalケア実践を推進する視点で検討を進める。
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