研究課題/領域番号 |
20H04028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
富永 真己 摂南大学, 看護学部, 教授 (40419974)
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研究分担者 |
田中 真佐恵 摂南大学, 看護学部, 助教 (40608543)
杉山 智子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90459032)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 高齢者介護施設 / 心理的安全性 / 無作為化比較試験 / 労働職場環境 / 介護職 / 介護保険施設 / 支援プログラム / 離職意向 / 職場のソーシャル・キャピタル / 外国人介護職 / 定着 / 施設長 / 外国人 |
研究開始時の研究の概要 |
介護保険施設の深刻な人材不足を背景に、外国人介護職の受入れが進む。しかし、現状の離職要因である人的側面の職場環境の課題を改善せねば、外国人も巻き込む形で介護職の不足に拍車をかける。その解決において"職場のソーシャル・キャピタル"は有用な概念であるが弊害として排他の影響や、国内の先行研究は同質的な構成員を対象としている点がある。外国人を包摂する職場環境の改善が必要である。本研究は介護保険施設の外国人の離職と就業継続の実態と要因を質的研究により解明し、介護職の定着に重要な職場環境の要素の醸成を目指した介護保険施設の職場環境改善の支援プログラムを開発し、介入研究による効果検証を行うことを目的とする。
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研究成果の概要 |
人材不足から外国人介護職の受入れが進む介護保険施設において、離職の要因である対人関係を含む職場環境の改善を目指した。外国人介護職の受入れの実態と課題を質的研究により解明した。また人間関係を含む職場環境の改善を目指すプログラムを開発し有効性を無作為化比較試験により検討した。質的研究の結果から外国人の受入れ後の利点と共に課題が明らかとなった。また無作為化比較試験によるデータを、Time0の得点を共変量に線形重回帰分析を行った結果、Time0からTime1で心理的安全性は有意に、排他的職場風土は有意傾向で改善したが、2 ケ月後に有意性は消失した。効果継続のためにさらなる工夫が望まれる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人材不足が深刻な介護保険施設の外国人の受入れの実態と課題を明らかにした。加えてケア従事者が職場の心理的安全性を醸成するための独自のプログラムを開発し、無作為化比較試験により有効性を検討した。類似の研究は皆無であり、その点から本研究は貴重な知見を提供した。心理的安全性はケア従事者がより良い方向に学習・変化するために必要な行動を可能にし、定着を促進し、ケアの質の向上にも好影響を及ぼすことが期待できる。本研究の成果として、開発したプログラムに関する書籍を出版し、すでに全国の社会福祉協議会等からの多数の依頼を受け研修を実施している。このことは、本研究が成果の社会実装という点で意義あるものといえる。
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