研究課題/領域番号 |
20H04035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 九州大学 (2023) 新潟大学 |
研究代表者 |
井上 敬一 九州大学, 医学研究院, 助教 (30396981)
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研究分担者 |
瀬原 吉英 自治医科大学, 医学部, 講師 (50721156)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | マイトファジー / ミトコンドリア / 骨格筋 / 遺伝子治療 / マウス / 筋萎縮 / ゲノムワイドスクリーニング / アデノ随伴ウイルス / 廃用性筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マイトファジー促進による筋萎縮の遺伝子治療の開発を行う。不要になったミトコンドリアは、オートファジー・リソソーム経路により分解除去される。この現象をマイトファジーという。申請者は、廃用性筋萎縮時に、マイトファジーと活性酸素種が増加することを発見した。この増加したマイトファジーは、不要となったミトコンドリアが産生する活性酸素種を減少させることで、筋萎縮の進行を抑制している可能性が示唆された。 そこでマイトファジーをさらに増加できれば筋萎縮を治療できるのではないかと考え、本研究ではそのための遺伝子治療法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、遺伝子治療によりマイトファジー活性を人為的に操作することで、筋萎縮の進行を阻止する技術の開発を目指した。その結果、マウス骨格筋においては、ミトコンドリア外膜タンパク質であるBNIP3とNIXが協働してマイトファジーを誘導することを明らかにした。しかし、BNIP3/NIXの過剰発現によるマイトファジー誘導は、細胞死も誘導することから、遺伝子治療に利用するには適切ではないことが解った。一方で、BNIP3/NIXダブルKOマウスの骨格筋では、ミトコンドリアネットワーク構造の乱れが見られたことから、マイトファジーによる新たな骨格筋制御機構の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、哺乳動物個体レベルにおいて、マイトファジーを誘導する責任分子としてBNIP3とNIXを同定した。このことは、これまで不明であった個体レベルでのマイトファジー誘導の分子機構を明らかにした。また、骨格筋におけるマイトファジー不全は、ミトコンドリアネットワーク構造の形成に異常をきたすことを発見した。 本研究成果は、今後ますます社会的に重大な問題となる筋萎縮の、分子・細胞レベルでの理解を促進するとともに、今後新たな治療法を開発する上で重要な知見となる。
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