研究課題/領域番号 |
20H04083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
堀田 典生 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (60548577)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / インスリン抵抗性 / 運動時循環調節 / 運動昇圧反射 / セントラルコマンド / 筋機械受容器反射 / 筋代謝受容器反射 / メカノバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の持続可能な超高齢社会の構築のために,アルツハイマー病 (AD) の増加は,解決すべき課題の一つである.身体運動は,ADの病態の一つである脳内 (中枢) インスリン抵抗性だけでなく,認知機能も改善することが示唆されている.安全で効果的な運動処方を実現するためには,ADが運動時における循環応答へ及ぼす影響を考慮すべきであるが,未だ不明である. 本研究では,神経毒ストレプトゾトシンの脳室内投与によって惹起される中枢インスリン抵抗性を呈するADモデルラットを用いて,ADの病態が,運動昇圧応答に及ぼす影響を世界で初めて明らかにし,血圧応答異常の機序解明をする.
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病(AD)に観察される中枢インスリン抵抗性が,運動昇圧応答に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.一過性のインスリン抵抗性を模擬した急性実験では,運動昇圧反射中枢のゲイン(入力[刺激]に対する出力[昇圧応答])が増大することが示唆された.一方,慢性的に脳内インスリン抵抗性を誘発した認知機能低下ラットでは,中枢ゲインが減少することが示唆された.さらに,中枢へのインスリン投与が慢性インスリン抵抗性による骨格筋反射性昇圧応答の減弱を是正するかを検討したが,有効な成果は得られなかった.以上の結果は脳内インスリン抵抗性を示すAD患者などの運動処方作成や運動指導に役立つことが期待される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義: アルツハイマー病(AD)の病態である中枢インスリン機能異常により,少なくとも運動昇圧反射中枢のゲインが変わり得ることを世界に先駆けて明らかにした. 社会的意義:ADの発症機序に基づく根治療法は未だ確立されていないが,定期的な身体運動は脳内インスリン抵抗性を改善し,認知機能を改善させることが報告されている.本研究は,慢性的な脳内インスリン抵抗性が運動昇圧応答を弱める,つまり活動筋への酸素供給不足を招き,運動耐用能を低下させることを示唆した.本知見は,健康運動の指導者が,ADに観察される脳内インスリン抵抗性が高い患者に対する運動処方を作成,ならびに運動指導する際の一助となり得る.
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