研究課題/領域番号 |
20H04105
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神野 尚三 九州大学, 医学研究院, 教授 (10325524)
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研究分担者 |
古江 秀昌 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20304884)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | ストレスレジリエンス / 加齢 / 海馬 / オリゴデンドロサイト / ミエリン / 老化 / うつ病 / ストレス / レジリエンス / パルブアルブミン / 心的外傷後ストレス障害 (PTSD) |
研究開始時の研究の概要 |
若年者に比べて中高年者の方がうつ病の発症率が高い理由は、現在まで不明である。また、中高年者のうつ病の治療では、基本的に若年者と同様の薬物療法が行われているが、難治化する症例も少なくなく、中高年者のうつ病の新たな理解と治療戦略が求められている。本研究では、ストレスに対する「抵抗性」と「回復力」からなるレジリエンスの概念に基づき、 うつ病と発症と回復のプロセスにおけるニッチの役割にアプローチする。さらに、その創造性は、海馬のオリゴデンドロサイト新生のニッチの改変によってストレスレジリエンスを回復させる実験によって、中高年者のうつ病に最適化した新たな治療戦略の創出を目指す。
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研究実績の概要 |
近年、加齢によってストレスレジリエンス (ストレスに対する抵抗性と回復力) が低下する可能性が指摘されているが、そのメカニズムは不明である。本年度の研究では、中枢神経系のグリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイトに着目し、加齢によるストレスレジリエンスの変化への関与を検討した。若齢マウスに軽度の拘束ストレスを負荷し、強制水泳試験を行ったところ、うつ様行動は認められなかった。一方で、同じ強度のストレスを与えた加齢マウスでは、うつ様行動が認められた。免疫組織化学的解析では、ストレスを負荷した加齢マウスでは、コントロール群の加齢マウスに比較して、海馬のオリゴデンドロサイトの密度が減少していた。RT-qPCRでは、ストレスを負荷した加齢マウスにおいて、海馬のオリゴデンドロサイト関連遺伝子やミエリン関連遺伝子の一部で発現レベルが低下していた。また、ウエスタンブロットでは、ストレスを負荷した加齢マウスにおいて、海馬のミエリン塩基性タンパク質の発現レベルが低下していた。一方で、若齢マウスでは、ストレスによるオリゴデンドロサイトの減少や、ミエリン関連分子の発現変動は認められなかった。また、ストレスを負荷した加齢マウスに対し、オリゴデンドロサイトの増殖を促進するベンズトロピン (ムスカリン受容体拮抗薬) を投与したところ、うつ様行動の減少とミエリン関連遺伝子の発現上昇が認められた。さらに、リゾホスファチジルコリン (LPC) を海馬に注入し、ミエリンを分解した加齢マウスの行動解析を行ったところ、ストレス脆弱性が高まる結果が得られた。以上の成果は、加齢によるストレスレジリエンスの低下には、海馬のオリゴデンドロサイトの機能不全が関与していることを示唆するものであり、オリゴデンドロサイトに着目した新たなうつ病対策の可能性を示唆している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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