研究課題/領域番号 |
20H04108
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
日野 信次朗 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (00448523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | リボフラビン / エピゲノム / LSD1 / 栄養素代謝 / ミトコンドリア / 代謝 / 脂肪組織 / フラボタンパク質 / ヒストン修飾 / ビタミンB2 / 肥満 / DNAメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
栄養環境がDNA・ヒストン修飾等のエピゲノムを変化させ、長期的な体質(=表現型)に影響を及ぼす可能性が提唱されているが、その実体は不明である。リボフラビン(Rf, ビタミンB2)は必須栄養素であり、短期的欠乏症は知られているが、摂取の多寡が長期的体質に及ぼす影響は知られていない。Rfの代謝物(フラビン類)は、ヒストン脱メチル化酵素LSD1及びLSD2の補酵素として働く他、様々なタンパク質の機能調節を介してエピゲノム形成に寄与する可能性がある。そこで本研究では、組織特異的にRf代謝不全を来すマウスを用いて、フラビン依存性エピゲノム制御の仕組みを解明し、その表現型形成における役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
リボフラビン(Rf)は必須栄養素であるが、長期的な多寡が組織・細胞レベルでどのような影響を及ぼすかはわかっていない。本研究では、Rf代謝物がヒストン脱メチル化酵素LSD1及びLSD2やその他のエピジェネティクス因子と相互作用することにより細胞制御や組織恒常性に関わる可能性を検討した。本課題の期間中に、Rf代謝が組織形成や機能に重要な役割を果たすこと、LSD1が細胞の代謝表現型や環境応答性を制御すること、Rf代謝の場であるミトコンドリアの機能と核エピゲノム制御が密接に関わること、を明らかにした。これらの研究を通して、栄養素代謝とエピゲノム制御の関係やその生理的意義を解明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、Rf代謝や様々な環境ストレスが細胞内代謝やシグナル伝達を介して転写・エピゲノム制御に作用する仕組みやその環境適応や組織恒常性における役割を明らかにすることができた。また、Rf依存的活性を持つLSD1が筋肉の加齢性変化に関わる可能性を報告した。これらの成果は、Rf摂取の多寡が健康寿命に影響を及ぼす可能性を示唆しており、今後の応用展開が期待できる。また、本研究で構築した研究アプローチは、後続の栄養エピジェネティクス研究に幅広く活用できるものである。
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