研究課題/領域番号 |
20H04116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) (2021-2023) 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター (2020) |
研究代表者 |
杉本 昌隆 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (50426491)
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研究分担者 |
佐藤 匡 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10596993)
杉本 和史 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60378370)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 細胞老化 / セノリシス / 呼吸器疾患 / 転移性肺がん / COPD(肺気腫) / 肺気腫 / COPD / モデル動物 / 肺がん / senolysis / 呼吸器 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、加齢による細胞の質的変化が組織老化や疾患を促進する機構を明らかにすることにより、老化細胞の機能を標的とした呼吸器疾患に対する革新的な創薬基盤を確立することを目的とする。老化は様々な疾患のリスクを増大させる。現在、世界で死因の上位を占めている呼吸器疾患も同様に加齢とともに罹患率が上昇するが、その原因について不明である。 本研究では、独自に樹立した老化細胞除去マウスを利用して、肺組織の加齢性変化に細胞老化が重要な役割を持つことを明らかにした。本研究計画では肺組織内の老化細胞に着目し、それらが呼吸器疾患の発症や進行にどの様に関与するのか、複数の呼吸器疾患モデルを用いて包括的解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、加齢による細胞の質的変化が組織老化や疾患を促進する機構を明らかにすることにより、老化細胞の機能を標的とした呼吸器疾患に対する革新的な創薬基盤を確立することを目的とした。本研究では転移性肺がん、および肺気腫モデル動物を用いて解析を行った。転移性肺がんモデルでは、老化細胞依存的に産生されるタンパク質ががん細胞の肺転移を促進することを見出した。がん患者サンプルの解析から、遠隔転移を持つ患者では血中の因子濃度が高いことが示され、予後予測因子として有用である可能性が示唆された。肺気腫モデルを用いた解析では、老化細胞が肺再生に対して抑制性の作用を示して病態を増悪化することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
呼吸器疾患は世界で常に死因の上位を占めており、我が国においてもこの傾向は増している。しかしながら、これら呼吸器疾患に対する治療法は限られており、特に慢性閉塞性肺疾患の主要病態である肺気腫に対しては有効な治療法は確立されていない。 本研究では肺組織の老化細胞に着目し、転移性肺がんモデル・肺気腫モデルを用いて老化細胞とこれら疾患の関係について解析を行った。両疾患モデルにおいて老化細胞は病態を増悪化する作用を示し、老化細胞除去もしくは老化細胞の機能阻害により病態を抑えることが可能であることが示された。本研究成果から、老化細胞が難治性の呼吸器疾患において有効な創薬・治療標的となることが期待される。
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