研究課題/領域番号 |
20H04118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
神崎 展 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10272262)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 運動 / 骨格筋 / マイオカイン / 運動免疫 / 糖代謝 / GLUT4 / 免疫 / 代謝 / GLUT4 / 筋肉 / 好中球 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、最近我々が見出した筋組織内にて運動により一過性に形成される好中球が集積する微小環境(運動筋ニッチ)における異細胞種間の相互的機能連携のシステム制御機構について、マウスの各種運動モデルと生体筋イメージング解析を中核に据えた一連の研究を推進する。特に、この運動筋内の微小領域に動員された好中球と、その局所での良性の免疫代謝調節機構の解明を通して、運動免疫学の新規概念として「運動筋ニッチ」の生理的重要性を確立することを最終目的としている。さらに、運動筋ニッチを経験した運動賦活型免疫細胞が全身を再循環しながら他臓器の免疫代謝機能制御(運動効果の伝搬)にも関与する可能性を検討する
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研究成果の概要 |
本研究課題では、筋組織内にて運動により一過性に形成される好中球が集積する微小環境(運動筋ニッチ)における異細胞種間の相互的機能連携のシステム制御機構を明らかにすることを目的とした。その結果、咬筋運動モデルでは筋運動依存性の好中球動員にフラクタルカインシグナル系が関与し、走行運動モデルではフラクタルカイン系に加えCXCケモカイン類シグナル系の両経路の活性化が不可欠であった。さらに運動筋ニッチは「運動免疫ネットワーク制御の起点」として、当該骨格筋の機能(糖取込と抗疲労作用)を高めるのみならず、内分泌的作用をもつマイオカインの分泌調節を介して全身性の運動効果伝搬にも深く関与していることが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動免疫学の新概念として運動筋ニッチの生理的重要性を確認した。この運動筋ニッチは、運動依存性に惹起される異種多細胞間での相互的機能連携の場であり、その都度異なる運動強度・様式にも最適な生物応答を導き出すための統合システム制御の基点として重要な役割を担っている。本研究では急性期の運動応答性に焦点をあてたが、短期・中長期さらには加齢といった時間軸に沿った運動筋ニッチの変容は筋可塑性の作動原理となる。健全な運動効果発現のみならず、加齢や疾患に起因したそのシステム不全は筋機能、ひいては身体運動機能の弱体化を招く。運動筋ニッチ概念に基づく包括的な筋運動研究は超高齢化社会にある現代社会の吃緊の課題である。
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