研究課題/領域番号 |
20H04128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
岩崎 有作 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60528420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | GLP-1 / 求心性迷走神経 / 体熱産生 / アドレナリン / 骨格筋 / 副腎 / 熱産生 / エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
食事は顕著に体温を上昇させるが、この食後熱産生の機序は未だ不明である。研究代表者は、カロリーゼロの希少糖:アルロースが食後腸ホルモンであるGLP-1(Glucagon-Like Peptide-1)を強力に分泌させることを発見した。そして、予備的成果としてアルロースが体温を上昇させることを見出した。本研究では、アルロースを用いて「腸GLP-1が<感覚神経→脳→副腎アドレナリン分泌>軸を活性化して体熱産生を誘導する」という仮説を立て、検証する。本研究成果は、食後熱産生の機構を解明し、さらに、代謝低下に伴う疾患の新規治療薬/機能性食品の開発基盤となる。
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研究成果の概要 |
本研究では、食事誘発性熱産生の駆動原理を解明すべく、食後腸ホルモンのGLP-1 (Glucagon-Like Peptide-1)の求心性迷走神経を介した脳作用、脳から交感神経系を介した副腎髄質由来のアドレナリン分泌促進作用、そして、アドレナリンの代謝臓器を介した体熱産生作用を解析した。 GLP-1分泌促進成分としてゼロカロリーの希少糖アルロースを用いた。アルロースによる腸GLP-1放出は、求心性迷走神経を介して視床下部X神経を活性化し、この情報が副腎髄質に伝えられアドレナリン分泌を促進し、アドレナリンの骨格筋β2受容体への作用にて体熱産生を誘導することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界規模で肥満が増加する中、食事を介してエネルギー代謝を亢進させる現象の機序解明研究は将来的に肥満の予防や対策にも繋がる。従って、本研究で明らかとなった希少糖・腸GLP-1放出によるエネルギー代謝亢進・体熱産生作用は、肥満の予防や対策に繋がる基礎研究となる。 本研究では、これまでに余り注目されてこなかった骨格筋による熱産生機能を明らかにするものであった。骨格筋の機能低下は糖尿病やフレイル、サルコペニアとの関連が指摘されていることから、本研究のさらなる発展が、骨格筋機能を高める研究に繋がることが期待される。
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