研究課題/領域番号 |
20H04129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中本 伸宏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (40383749)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 脂肪性肝炎 / 肝臓線維化 / 線維化修復 / 組織常在型CD8 T細胞 / 腸内細菌 / 肝線維化 / 組織常在型T細胞 / 組織常在性T細胞 / 星細胞 / アポトーシス / T細胞 / NASH / 肝線維化修復 |
研究開始時の研究の概要 |
食生活の西洋化と運動不足の結果、近年日本国内で肥満や生活習慣病を基盤とする肝障害であるNAFLD(Nonalcoholic fatty liver disease; 非アルコール性脂肪性肝疾患)やNASH患者の数が急速に増加している。現時点で進行した肝線維化に対する有効な内科的治療法は皆無であり、新規治療法の開発が急務である。本研究において、NASH、およびNASH resolutionモデルマウスにおける肝臓内免疫細胞の詳細な機能解析と腸肝相関を介した線維化溶解メカニズムの解明を試みる。さらに、NASH患者の臨床検体を用いてモデルマウスの結果を検証し、本細胞を標的とした治療応用を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究において、高脂肪高コレステロール食の長期摂取に起因する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の肝線維化病態が、食事の改善によって回復する免疫学的メカニズムを明らかにした。独自に構築したマウスモデルを用いて、NASHの病態回復において「組織常在型メモリーCD8T細胞」が関与していることを発見した。本CD8T細胞が線維化の主要な悪玉とされる肝星細胞をCCR5/CCL5 axisを介して引き寄せ、活性化した星細胞のアポトーシスを誘導し、線維化からの回復を促進していることを明らかとした。本成果により、NASHをはじめとする臓器線維化疾患の新たな治療法や診断薬の開発につながることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回申請者が見出したTrmは肝線維化修復において特異性、新規性が高く、将来的な治療標的候補として期待される。本研究課題の成果は、これまで明らかにされていない肝臓を中心とする臓器間ネットワークを介したTrmの誘導機序の解明という学問的意義のみならず、NASHの新たなバイオマーカーの確立と、今後の治療応用を見据えたProof of conceptの取得が期待される。さらに、線維化進展は肺線維症や腸管狭窄など肝臓以外の様々な臓器においても有効な治療法が存在せず、一刻も早い病態解明が待たれる領域であり、今後臓器特異性を含めて本研究成果を足がかりとして生体修復に関わる研究の発展と社会貢献が期待される。
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