研究課題/領域番号 |
20H04132
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 進 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (90291757)
|
研究分担者 |
河並 崇 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90443184)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | スマートシューズ / ICT/ToTモニタリング / 歩行・歩容センサー / 遠隔地見守り / ICT/IoTモニタリング / テキスタイルセンサー / 遠隔地見守りネットワーク / 健康・見守り支援 / 地域高齢者 / IoT・ICT / 異分野連携 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会に伴い健康寿命延伸を目的とした様々な研究や施策が実施されている一方で、これらの取り組みは、呼びかけに応じる一部の限られた集団しかカバーできていない。地方自治体などによる健康支援が結果的に半数以上の地域高齢者には届いていない現実があり、有効な支援プログラムの開発と同等かそれ以上に、地域全体に支援策を展開・浸透させる方法論の検討が重要である。従来の人間ドッグ型(施設通所型)支援の問題を踏まえ、本研究は情報通信科学分野の専門家と連携し、ICT・IoT技術を活用したスマートシューズによる地域高齢者に対する健康・見守り支援システムの開発とその有効性の検討を試みる。
|
研究実績の概要 |
令和3年度は令和2年度に引き続き、①歩容センサー・マイコンを中敷き内に収納させた(高耐久で実用可能な)スマートシューズへの改良、②白山麓キャンパスにおけるLPWA規格の公衆通信網の改良整備、③クラウドシステムの改良、公衆網との連携とデータ・セキュリティ管理システムの構築似取り組むとともに、試験的社会実装と並行した修正を行う予定であった。具体的には、①対象地区内の公衆網カバー率を調査し必要に応じアンテナ設置位置等を見直す、②対象地区でのスマートシューズから通信網、クラウドシステムまでのデータ通信状況を確認する、③スマートシューズからデータ収集し評価変数およびフィードバック方法等改良する、④試験運用協力者(高齢者、家族等)から問題点を調査し改良方法を検討する、などであった。 スマートシューズの改良に関しては、実験室内での様々な歩行条件下でのセンサーから得られる歩容情報の評価方法と関連付けながら継続的に実施した。通信網については、我々はIoTのような少ないデータ量を連続的かつ広範囲に送信する場合、動画配信などに求められるブロードバンドネットワークは帯域的に無駄があり、Wi-Fi等のネットワーク設備投資にも費用が掛かるためLPWA規格の通信網の利用を計画した。しかし、現在は、通信の安定性や基地局が多く様々な場所での通信が見込めることからSigfox規格での通信実験を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験室内でのスマートシューズの開発・改良、通信システムの検討などに関してはできる限り作業をすすめることができたが、社会実装に向けて地域の方(主に高齢者)を対象に実施する予定であったデータ収集や評価方法・フィードバック方法、通信・クラウドシステムの検討・改良については、コロナウイルスの影響により実施が困難となり令和4年度に遅延した。この間、通信網やデータ通信形式などの検討を行う中で、新しい技術や公的な通信規格の変更など社会情勢が変化した。これらの状況を踏まえ、我々のシステムに適した形式を模索した。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は2018年頃より本格的に実施しているが、本取組の構想後、数年足らずの間に、様々な新しいICT・IoT関連技術や規格が開発・利用可能となっており、基礎研究を進める期間中にも、本取組をより効率的に推進可能な技術や規格などが生まれている。例えば、前述したように、通信網に関して、当初とは異なる規格での実施の方が開発者・利用者・運営者ともに利便性や安定性、拡張性も高くなる可能性が大きいと考え、新しい規格での通信実験を行っている。スマートシューズに搭載するセンサーについても、今後、様々な技術革新がなされるであろう。e-テキスタイル技術を用いた歩容センサーに加え柔軟に利用したい。さらに言えば、コロナ禍の影響により、テレビ会議システムの急速な普及など、社会の仕組みや家族のコミュニケーションのとり方や考え方に大きな変化が生じた。今後の新しい技術を予測することは非常に難しいことであるが、このような社会の変化も含め、科学技術の進歩に対して、できるだけ柔軟に対応しながらシステムの構築を行うことも重要である。
|