研究課題/領域番号 |
20H04136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
大澤 郁朗 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (30343586)
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研究分担者 |
藤田 泰典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30515888)
池谷 真澄 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60644359)
伊藤 雅史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80393114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 水素分子 / 酸化ストレス / 炎症 / 動物モデル / 脳細胞死 / 腸管免疫系 / 大動脈解離 / リン脂質 / 分子状水素 / 培養細胞 / リピドーム / メタボローム / 水素ガス / 老化 / ミトコンドリア / 免疫恒常性 / 水素吸入療法 / 臨床研究 / 疾患動物モデル / 細胞応答 / 水素 / エンドソーム / 水素ガス吸引療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、水素分子による細胞ストレス防御機構と免疫恒常性維持のメカニズムを分子レベルと個体レベルで明らかにし、水素分子の効果的利用による健康長寿の促進を目指す。培養細胞での水素分子添加による脂質変動を網羅的に解析し、生体膜や細胞内輸送およびオルガネラの機能変化との関連を明らかにする。個体レベルでは水素分子が作用する臓器と細胞を示し、免疫恒常性維持に関与する細胞内外のシグナル分子を明らかする。さらに疾患応用に向けて高齢者の非感染性炎症の緩和を目指した水素ガス療法の臨床研究を進める。
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研究成果の概要 |
神経芽細胞を水素存在下で培養すると一過的に特定のリン脂質が増加し、エネルギー代謝経路が広く抑制された。同時に上昇する酸化ストレスが細胞の適応応答を惹起すると考えられる。水素ガス吸入は、麻酔ガス吸入による幼若マウス脳での神経幹細胞死を抑制した。c-Junの活性化が阻害された。大腸炎モデルマウスに水素水を数日単回投与するだけで病態が緩和され、小腸パイエル板の制御性T細胞減少が抑制された。さらに食物抗原の樹状細胞への提示も抑制したことから、水素水は腸管免疫系の恒常性維持に寄与していると考えられる。臨床研究では、既に数名の急性大動脈解離患者について水素ガス吸引療法の安全性試験を完了した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素分子による一過的な脂質変化が細胞に軽度ストレスを生じさせ適応応答を引き起こすことが、水素ガス吸入により炎症が抑制される分子機序の一端であり、臨床での水素ガス吸入療法へとつながる。また、動物モデルで水素水を単回摂取させると小腸で腸管免疫系の恒常性につながる変化が生じた。すでに知られている水素水の多様な疾患抑制効果や抗疲労効果についての機序を解明する重要な発見である。
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