研究課題/領域番号 |
20H04137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
田口 明子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, 部長 (80517186)
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研究分担者 |
王 蔚 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 統合加齢神経科学研究部, 研究員 (00845167)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | インスリンシグナル / アストロサイト / 認知機能 / 栄養エネルギー代謝 / トランスポーター / 耐糖能 / 老化 / 糖代謝シグナル経路 / インスリン / 糖代謝経路 / グリア / 栄養代謝 / グリア細胞 / 栄養恒常性 / 認知機能調節 / 代謝調節経路 |
研究開始時の研究の概要 |
アストロサイトは、脳のエネルギー栄養代謝調節を担う中心的役割を果たしているが、認知機能低下を呈する2型糖尿病モデルマウス脳ではアストロサイトの反応性変化が観察される。これらの結果と脳特異的糖代謝調節因子の欠損は顕著な異常を誘導しないという新たに得た知見に鑑み、アストロサイト特異的糖代謝調節因子欠損マウスを作製した。本研究では、当該マウスの解析を通じ、脳・全身のエネルギー栄養代謝および認知機能の調節において、アストロサイトの糖代謝調節経路が果たす生理的および病理学的役割を明らかにし、新たな栄養代謝・認知機能調節機構の存在の可能性を明らかにする事を目的とする。
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研究成果の概要 |
(1)若齢期の欠損マウスでは、耐糖能異常が誘導された。(2)海馬の神経細胞新生の低下と空間認知障害が観察された。(3)アストロサイトには、老化様形態変化が観察された。(4)ミトコンドリア関連因子について有意な発現変動が観察された。(5)骨格筋では関連シグナル分子の異常な活性化変動が生じていた。(6)脳の栄養エネルギー輸送経路において、各種トランスポーターと乳酸の有意な変化が観察された。(7)老齢期では、耐糖能に変化は観察されなかった。これまでの解析から、アストロサイトIRS1は、体系的な糖代謝制御と認知機能調節に関与し、その機能は、加齢に伴い変化する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、新規作製した変異マウスの解析を通じて、アストロサイトIRS1が関与する新たな栄養エネルギー代謝・認知機能調節機構の可能性に迫るもので、学術的独自性が高い内容である。本研究成果において、従来の認知症研究では発見されなかった新たな代謝・認知機能調節機序の存在が示唆されたことから、認知機能障害の予防・治療法の開発へと発展することに期待がもたれる。
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