研究課題/領域番号 |
20H04138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2022-2023) 東京工業大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
森 立平 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (60732857)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 量子計算 / FPTアルゴリズム / クエリ計算量 / グラフアルゴリズム / 頂点被覆問題 / 量子アルゴリズム / 量子クエリ計算量 / Groverのアルゴリズム / 指数時間アルゴリズム / 固定パラメータ容易アルゴリズム / 指数時間量子アルゴリズム / Grover のアルゴリズム / 量子情報 / 量子通信路 / ランダム量子回路 / 動的計画法 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な計算困難な問題に対する高速な指数時間量子アルゴリズムを設計する。Grover の量子アルゴリズムは並列的な探索アルゴリズムを加速させることができるが、その一方で「並列に解くことができない問題に対してどのようなアプローチで量子アルゴリズムを設計するべきか」というのは重要な研究課題である。本研究課題では最近 Ambainis らによって提案された手法を発展させ、様々な問題について高速な量子アルゴリズムを設計することを目標とする。またその手法を用いて、現在まで研究されてこなかった量子固定パラメータアルゴリズムの分野を開拓する。
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研究実績の概要 |
グラフの k-頂点被覆問題と k-マッチング問題について、パラメータkに依存したクエリ計算量の量子アルゴリズムを開発した。具体的にはクエリ計算量 O(√k n + k^{3/2} √n) で隣接行列オラクルで与えられたグラフにサイズ k以下の頂点被覆が存在するか判定する量子アルゴリズムを開発した。また、クエリ計算量 O(√k n + k^2) で与えられたグラフにサイズ k以上のマッチングが存在するか判定する量子アルゴリズムを開発した。また、クエリ計算量の下界 Ω(√k n) を導出した。上記のアルゴリズムは kの値が小さいとき、クエリ計算量は O(√k n) となり、得られた下界と一致するので最適であることが分かる。 k-頂点被覆問題に対する量子アルゴリズムは Grover量子アルゴリズムと古典パラメータアルゴリズムの手法であるカーネル化を組み合わせることで得られた。また、k-マッチング問題に対する量子アルゴリズムは Groverのアルゴリズムを必要に応じて用いるアルゴリズムの計算量をポテンシャル関数を使って解析することによって得られた。 これらのアルゴリズムは初めてのパラメータ化量子クエリアルゴリズムであり、新しい研究分野を切り開くものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パラメータ化量子クエリアルゴリズムを導出することができた。これは新しい研究分野を切り開くものであると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
パラメータ化量子クエリアルゴリズムの結果を論文投稿する。この研究分野をさらに発展させることがこれからの課題である。また、従来の時間計算量が指数である量子アルゴリズムの開発も引き続き推進する。量子クエリアルゴリズムの知見が応用できないか検討する。
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