研究課題/領域番号 |
20H04144
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
合原 一究 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70588516)
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研究分担者 |
小南 大智 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (00709678)
村田 正幸 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (80200301)
青柳 富誌生 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90252486)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 動物行動 / 数理モデリング / 野外調査 / 通信方式 / 無線センサネットワーク / 野外計測 / 無線ネットワーク / 無線センサーネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
生物の集団行動を自律分散型システムと捉えて実験的・数理的に研究し、その成果に基づいて高効率な通信方式を提案する。カエルとバッタは繁殖期に大集団を形成し、高密度下であっても良好なコミュニケーションを実現している。本研究では、(1)先端的音響計測システムによってこれらの生物の集団行動を計測し、(2)動力学モデルによって実験データの特性を再現し、(3)その動力学モデルによって大規模通信システムにおける通信時の高信頼性と低電力化を実現する。これにより数理情報学の観点から生物の集団行動ダイナミクスを理解するとともに、IoTの基盤技術である無線センサネットワークの自律分散型制御に有用な通信方式を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では「生物の集団行動を自律分散型システムと捉えて実験的・数理的に研究し、その成果に基づいて高効率な通信方式を提案すること」を目的としている。この目的に従って、今年度は以下の課題に取り組んだ。 ・課題1:先端的音響計測システムによる合唱構造解析 ・課題2:空間構造を考慮した数理モデリング ・課題3:無線センサネットワークにおける高信頼性に関する応用研究 まず課題1では、筑波大学T-PIRCおよび石岡市において特定の周波数成分に反応して明滅を繰り返す音声識別装置「カエルホタル 2」とマイクロフォンアレイを田んぼに並べる野外調査を実施した。さらに、マイクロフォンによる音源定位・分離について、複数の手法を試すことで、その有効性を網羅的に検証した。課題2では、近接個体との距離や発声特性に応じて複数の行動状態を時間離散的に切り替える数理モデルの解析を進めた。この際、全体での消費エネルギー効率とコミュニケーションという、通信方式としての有用性にもつながる性質の評価をおこなった。これらに加えて、課題3では具体的な無線センサネットワークを考慮したシミュレーションをおこない、近接端末間でのパケット衝突とネットワーク全体での低電力性能の分析を進めた。上記の成果について生態学会、人工知能学会、鳥学会、生物音響学会などで発表したほか、数理モデル部分についてはJournal of Theoretical Biology誌にて査読付き学術論文として研究成果を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響が続いていたが、音声計測実験については石岡市と筑波大学内のフィールドという、これまでに調査手順を確立した箇所にて問題なく計測を実施できた。また参画者間の連携については、引き続き月一程度でのオンラインミーティングを実施することで、順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、当初の研究計画にしたがうように進めていく。野外でのデータ計測については筑波大学近郊での調査方法を確立できたので、次年度以降も同様の手順でデータを計測していく。生物の行動モデリング、無線センサネットワークへの応用については、これまで通り進めていく。
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