研究課題/領域番号 |
20H04169
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
佐藤 一郎 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (80282896)
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研究分担者 |
中島 達夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10251977)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 分散システム / 分散合意 / ミドルウェア / 分散同意 / データ複製管理 / 一貫性制御 / 分散同意アルゴリズム / 分散同期 / 同期現象 |
研究開始時の研究の概要 |
自然界の振動系の同期現象(例えば心筋の伸縮周期やホタルの発信周期などの同調)に相当するメカニズムを分散システムに導入して、分散同意を効率化していく。分散合意は様々な分散アルゴリズムの基礎となるが、複数コンピュータによる合意要求等が重なると、分散合意処理に手戻りが生じ、合意に至るコストが大幅に大きくなるという問題が知られている。一方、分散合意手法がマルチキャスト通信とそれに対する返信を順番に繰り返していることから、自然界の振動系の同期現象と近く、自然界の同期メカニズムを分散システムに導入する方法を提案し、実装・評価を行う。
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研究成果の概要 |
分散システムにおける分散合意手法として、ホタルの点滅や心筋の伸縮など自然界の同期メカニズムを利用する新手法を提案した。既存の分散同意手法はマルチキャスト通信と返信のフェーズを繰り返す一種の振動系と捉え、分散合意の過程を各コンピュータを同じ周期で通信を繰り返す振動子として扱う方法を提案した。この方法では各コンピュータには同じ周期を維持しつつ、通信タイミング(位相)は互いに重ならないよう割り当てられることで、タイミングによる衝突を低減できる。従って分散合意の実現において、通信タイミングが重複が少なく、連続的な分散合意を必要とする分散ストレージのような場合に効果が高い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分散システムの複数コンピュータそれぞれが共通のリズムを共有させる手法に相当して、その共有されたリズムが乱れない限りは、分散合意において起きがちな通信タイミングのズレによる衝突を低減することできる。この結果、分散合意の収束を高速化することができる。分散合意はクラウドコンピューティングを含めて、多様なシステムで利用されており、本研究の効果は広く利用が期待できる。
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