研究課題/領域番号 |
20H04248
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
波多野 大督 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (10709728)
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研究分担者 |
原 聡 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40780721)
前原 貴憲 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, ユニットリーダー (20751407)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 協力ゲーム理論 / 回帰問題 / 説明法 / 費用分配問題 / 費用配分問題 |
研究開始時の研究の概要 |
ライドシェアを代表とする共有型サービスは,少子高齢化に端を発する空き家問題等を解決する革新的なサービスの一つである.共有型サービスの解決すべき課題の一つに信頼性の向上がある.その対応策に,安全性の確保や法整備などがあるが,本研究提案では価格設定に着目する.CtoCなどの共有型サービスがBtoC などの従来型サービスと異なる点はサービスの質(安全性など)が共同利用者により異なる点である.サービスの質に応じて適切な価格設定ができれば,結果として共有型サービスの質の担保につながる.本研究では,ライドシェア等,共同利用者と時空間を共有するサービスの価格設定モデルの構築及びアルゴリズムの提案を行う.
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研究実績の概要 |
本研究課題では,3つの課題(研究課題1:個々の利用者の特徴量に応じた価格設定,研究課題2:需要予測に基づく適応的価格設定,研究課題3:価格設定の妥当性の説明)のうち,研究課題3の価格設定の妥当性の説明に関する研究として,公平性の研究に着手した.具体的には,以下の通りである.
ユーザーの特徴を利用したサービスの価格設定をする際に,人種や性別などのセンシティブ属性に強く依存していると公平性の観点からあまり良くない.本研究では特に,複数のセンシティブ属性の組合せによる不公平を扱う交差性について扱った.交差性は複数の特徴から発生する相関が問題であると言い換えることができる.そこで,本研究では,与えられた価格推定モデルに対し,上記の相関を消すことで公平な価格へと調整する手法の開発に取り組んだ. 具体的には,組合せ論で用いられる手法であるメビウス反転公式に着目し,この問題の解決を試みた.メビウス反転公式は集合関数を限界貢献の和の形で表現できる.これは限界貢献から集合関数の値を復元できることを示唆している.そこで,ある属性間での相関とメビウス反転公式の関係性を明らかにすることにより修正する方法を提案した.この手法を適用するには,対象となる関数が集合関数である必要があるが,一般的に機械学習モデルは実数値関数であるため,集合関数へ変換する必要がある.その方法として,本研究では,説明可能性AIなどで知られている参照点を用いた方法を利用した.一般的にメビウス反転公式の計算コストは高いことが知られているが,修正に必要な計算がある種の最小被覆集合で表現できることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに,センシティブ属性との不公平な相関を対象とした修正方法が提案できており,人工知能学会全国大会に投稿済みである.また,より発展的な内容を含めて,機械学習の国際会議や論文誌等への投稿準備を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
相関関係にのみ着目していたが,今後因果関係に関わる公平性や相関と因果を同時に扱うケースについてメビウス反転との関係性を明らかにすることが一つ挙げられる.また,現在の手法は集合関数に限られるため,2値関数を一般化する手法についても検討する.
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