研究課題/領域番号 |
20H04252
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 宏知 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (90361518)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 脳 / 情報処理 / 神経活動 / 微小電極 / リザバー |
研究開始時の研究の概要 |
リザバー計算は,大規模なリカレント・ニューラルネットワークの学習手法として注目されている.特に最近では,計算能力の高いネットワークを人為的に作り込むためのメタ学習と,任意の大自由度力学系を計算資源として活用するフィジカル・リザバー計算が重要な研究課題となっている.本研究は,脳組織でフィジカル・リザバー計算を実現し,計算資源としての脳の特徴を考察する.具体的には,①神経細胞の分散培養系とラットの聴覚野を実験対象とし,これらの脳組織を計算資源として定量化する手法を確立する.次に,②脳の計算能力が,自己組織的な神経回路の形成やその後の経験依存的な可塑性により,どのように変化するかを調べる.
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研究成果の概要 |
リザバー計算は,大規模なリカレント・ニューラルネットワークの学習手法として注目されている.特に最近では,任意の大自由度力学系を計算資源として活用する物理リザバー計算が重要な研究課題となっている.本研究は,脳組織で物理リザバー計算を実現し,計算資源としての脳の特徴を考察した.具体的には,神経細胞の分散培養系とラットの聴覚野を実験対象とし,これらの脳組織を計算資源として定量化する手法を確立し,脳の計算能力が,自己組織的な神経回路の形成により,情報処理能力を向上させることを示した.これにより脳の自己組織化や可塑性が,リザバー計算の機能的意義を有する可能性を検証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳の情報処理をリザバー計算の枠組みで考察する研究が盛んであるが,脳そのものを物理リザバー計算に用いた研究はほとんどない.本研究の学術的独自性は,脳にリザバー計算が実装されているという仮説を検証する構成論的な試みにある.本研究の学術的創造性は,リザバー計算という概念により,人工ニューラルネットワークを用いたモデル研究と,実際の脳の生理学的研究とを結びつける学際性にある.このような学際性は,古くはパーセプトロンと小脳の学習機構 (1980年代),コネクショニズムと海馬・新皮質からなる学習機構 (1990年代),そして最近では深層学習と脳の階層的表現などのように,革新的な研究の原動力となってきた.
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