研究課題/領域番号 |
20H04268
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61050:知能ロボティクス関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
宮田 なつき 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (90344225)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | デジタルハンド / 関節可動域 / 身体性 / 体験 / 可動域縮小 / 力学的把持成立性 / 他者理解 / 高齢者身体性 / 把持 / 高齢者 / 筋力低下 / フォースクロージャー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,手指機能の制約も多様な身体性の一つと捉え,健常な手を持つ者に自身と異なる身体性を疑似体験させることで,そのような身体性を持つ人に特徴的な把持戦略に関するデータを取得し,多様な物体の扱い方を推定することを目指す.まず,機能制約として関節可動域や部分的変形などを想定した多様な身体性を再現する手モデルを作成する.ヘッドマウントディスプレイおよび振動子等による視触覚刺激を含むシステムにより,可動域や形状について異なる身体性の体験可能性を検証したのち,体験効果の認められるケースについて物を扱う動作データを取得し,新規物体での同種の動作の推定を試みる.
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研究成果の概要 |
本研究では,健常な手を持つ者に自身と異なる身体性を疑似体験させることで,そうした身体性を持つ人に特徴的な把持戦略に関するデータ収集が可能か検討し,機能制約を伴う手による把持推定の枠組みを構築した.VR疑似体験システム上で,可動域の制限された手モデルを操作し,想定された可動域の逸脱時に通知を受けることで,物理的制約時と同様の把持姿勢が概ね観察可能であり,可動域が制約された手に可能な姿勢の理解が進むことが示された.筋力低下や摩擦など高齢化に伴う手制約を考慮した姿勢を生成する手法も合わせて構築し,疑似体験によるデータ収集が進むことで,種々の身体を考慮した把持姿勢推定が可能になる可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な人にとって使いやすい製品の設計を支援するためには多様な手による物の扱い方を推定できることが必要となるが,例えば手指機能への制約の生じ方は様々で,すでに制約の生じた者から十分なデータを収集することは難しい.本研究では,限定的ではあるが,身体性の一つである可動域について,健常な手を持つ者に自身と異なる状態を体験させることで,異なる身体性を持つ人に特徴的な把持戦略に関するデータが取得しうること,少なくとも対象の理解度が増進することが示された.また筋力低下など機能が制約された状態の手で可能な姿勢の推定手法も合わせて構築されたことから,今後の設計支援システムの推進に寄与すると期待できる.
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