研究課題/領域番号 |
20H04274
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
池浦 良淳 三重大学, 工学研究科, 教授 (20232168)
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研究分担者 |
早川 聡一郎 三重大学, 工学研究科, 准教授 (50288552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | ユーザーインターフェース / マンマシンインターフェース / パワーアシスト / 違和感 / 質量感 |
研究開始時の研究の概要 |
パワーアシスト装置は,操作者が運搬物体を「重い」と視覚的に感じているにもかかわらず,必要以上に「軽く」操作できてしまうと,結果的に予想外の急激な危険操作をする可能性が高い.これにより,操作に違和感や恐怖感を抱き,事故につながるなど,緊急に解決しなければならない問題である.これは操作者が事前に予想する予測質量感と操作中の体性感覚的質量感が大きく異なることが原因と考えられる.本研究の目的は,物体を動かす前の操作力から予測質量感を推定し,適切な制御質量を設定することにより,予測質量感と体性感覚的質量感を一致させることで,実用的で安全安心なパワーアシスト装置を開発することである.
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研究実績の概要 |
パワーアシスト装置は現状の社会に必需となるが,操作者が運搬物体を「重い」と視覚的に感じているにもかかわらず,アシスト装置により必要以上に「軽く」操作できてしまうと,結果的に予想外の急激な危険操作をする可能性が高い.これにより,操作に違和感や恐怖感を抱き,事故につながるなど,緊急に解決しなければならない問題である.この問題は操作者が事前に感じる視覚的質量感と操作中の体性感覚的質量感が大きく異なることが原因と考えられる.そこで,本研究の目的は,制御によりパワーアシスト操作時の体性感覚的質量感を変化させ,実用的で安全安心なパワーアシスト装置を開発することである. 体性感覚的質量感を制御するには,人間の質量知覚特性を把握し,それを基に制御手法を考案しなければならない.令和3年度までは,アシスト装置が見えない状態で運搬物体のみ見える状態での違和感について調査を行ってきた.現実のアシスト装置を考えると,アシスト装置の機構が見える状態で,作業を行うのが一般的である.そこで,アシスト機構が見える状態で機構は動作するがアシストされず本来の質量特性の運搬物体を操作する場合と,運搬物体単体を操作する場合の質量感覚を比較検討を行った.その結果,アシスト機構が見える場合,人は,運搬物体の質量特性だけでなく,アシスト装置の動作抵抗などを考慮した操作感をイメージするため,アシスト装置が見える場合の方が軽いと感じることが分かった. また,令和3年度までの質量感のみのアンケート調査に加えて,違和感に対する感覚を多角的に評価するため,アシスト装置の操作における評価形容詞の選定を行った. これらの成果は,運搬物体のみでの視覚的質量感を評価するだけでなく,アシスト装置を含めた質量感を評価する必要があり,さらに本研究の必要性を裏付けるものとなっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度では,高出力のリニアダイレクトモータを選定し,高出力アシスト装置を制作する予定であったが,重力方向の制御できるリニアダイレクトモータの選定が難しいことが分かった.そこで,高出力アシスト装置については,一般的に利用されているボールねじ機構を使ったアシスト装置を製作することとした.ボールねじ機構には,大きな摩擦抵抗が存在し,微妙な質量感覚を制御するには支障が出る可能性がある.そこで,令和4年度では,アシスト機構が見える状態で機構は動作するがアシストされず本来の質量特性の運搬物体を操作する状態について,評価を行った.また,令和3年度で導入した皮膚組織変形機構のアクチュエータ出力はそれほど大きくないので,引き続きリニアモータを使用して,制御手法について検討を行った. また,違和感に対するアンケート評価手法が確立されていなかったが,令和4年度に実施した,多数の形容詞から主成分分析を利用した形容詞の絞り込みにより,より綿密な違和感表を行うことできるようになり,評価面では大きな進展となった. 令和5年度では,ボールねじ機構を利用した高出力アシスト装置において,重力方向だけでなく,水平方向についても評価する予定であり,そのための2自由度アクチュエータの選定を進めた.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,本研究の最終年であるため,視覚的質量感と操作中の体性感覚的質量感の乖離が緩和される制御手法の評価を重力方向の5kgの物体持ち上げのみならず,水平方向の慣性の評価についても行う.そのため,以下の手順により研究を行う.(1)令和4年度で製作したパワーアシスト装置の製作技術を用いて,新たに5kgの物体の持ち上げが可能で,ボールねじ機構を採用した2自由度パワーアシスト装置を製作する.(2)令和4年度までに開発した皮膚組織変更機構を装着した2自由度アシストシステム及び質量感予測アルゴリズムをシステムに搭載する.(3)令和4年度で調査したアシスト装置の見た目が違和感に与える効果を考慮して,質量感予測アルゴリズムを修正する.(4)質量感予測アルゴリズムと皮膚組織変形機構により,違和感のない質量提示が行えているかを,令和4年度に開発した慣性評価手法を用いて評価する. (5)同様のシステムを用いて,水平方向の慣性のみが作用した場合に効果があるかを検証する.これら得られた結果をとりまとめ,学会発表を行う.
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